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1947年2月3日、物語は始まった。
ブルーはホワイトから仕事を引き受け、ブラックを見張る。


日付は何となく。

これは何だろう?
120ページほどの薄い本。でも、一筋縄ではいかない。
もともと考えながら読むのは苦手なのだが(それなのにミステリ好き)、
これはそのまま、すぅーっと通り過ぎてしまうにはもったいないのでゆっくりと読んだ。


まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、
そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。


という奇妙でやけに気になる書き出しは、
ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』のように有名なのでしょうか?

ストーリーは、基本的に【ブルーがブラックを見張る】というだけ。
挿入される逸話は興味深いが、ブルーとブラックには表向きこれといった動きがない。


想いにふける→考え込む→自分自身を見つめる→物語をつくる→足元を掘り下げる

調和したような“親近感”と、切り離されたような“疎外感”を味わいながら。


ブルーがブラックを見張り始めたばかりの頃に、こんな描写がある。

ブルーは退屈している、といのとはちょっと違う。
ただ何だか、はぐらかされたような気持ちなのだ。(略)

まだ、何もわかっていないじゃないか。(略)即断は控えた方が身のためだ。


まさしく物語自体に、こんなふうに感じながら読み進めていく。


巻末で伊井直之さんがおっしゃっているように、
【色】を名前に配した登場人物たちは、【色のない世界】を進行している。
作者は小説の中で彼らが実在化するのを拒否している。


また、会話に「」が全く使われておらず(訳者の狙いかもしれないが)
そこにいるのが誰なのか?これは誰の物語なのか?ブルーとは何なのか?幽霊って皆?
なんて疑問も浮かんでくる。挙句には、
「今確かにここに居ると思っている私は、誰かの夢の中でもがいているに過ぎないのではないか?」
と、どこかできいたようなことを自分自身に置き換えて想像してみたり。


ちょっと考えねばならないような本になると、途端に感想を書くペースが遅くなる。
いつもがいつもだから、たまにはいいのかもしれませんが。

『GHOSTS』Paul Auster 1986

『幽霊たち』 ポール・オースター 柴田元幸 訳 新潮文庫 (平成7年3月発行)





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最終更新日  2005年01月27日 20時02分13秒
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