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忘れこっない。と心から思っていたのに・・・・


表題作と『化石の樹』の2編収録。

千波が、ふと見つけた『いちばん初めにあった海』という名の本は、
“広海という青年が、ヒロミと名乗る奇妙な女と出会う”不思議な話だった。
そんな本に挟まっていた未開封の手紙。読んでみると、こんな一文が・・・

あなたと同じだから。わたしも人を殺したことがあるから

自分の身に起きた異変。曖昧で宙ぶらりんな状況。
忘れてしまったもの。記憶の浄化作用。


加納さんの作品を読むのは『ななつのこ』に続いて2作目です。
予想とは違い、シリアスで緊張感のある展開。
“現在の千波”、“本の内容”、“高校時代の話” と場面が変わっていく。

【千波に何が起きたのか?】が次第に明らかになる過程にドキドキする。


この本を読むかなり前に、あまり評価が良くない感想を何処かでみた。
困ったことに、影響されやすい私は、そのことが頭の片隅に残っていたようで、
読む前から否定的なスタンスだったように思う。
そんな状態で読了した感想は・・・

うーん。何だか中途半端。
『いちばん~』の本の中身(作中)にしても、<YUKI>をめぐる話にしても。
他のキャラクターを含め、それぞれもう少しで凄くいい雰囲気が出そうなのに・・・
どちらかというと、次の『化石の樹』のほうがいいなぁ。好みのタイトルだし。

というところであった。
でも、半年ほど経ってから再読してみると、印象がちょっと違った。

『化石の樹』と両方読み終えて、ホォーと部分もある。(これでは、全然わからんて)
麻子の視点での物語が読みたくなった。
だが、あえてこれをやらなかったのは、挑戦であり技でもあるのだろうか。

再読して評価が甘くなるのは、初読が雑なのか、
以前は目に付かなかったことまで気がつくようになったのか、

それとも、月日が経ち寛容になったのか。
まぁ、なんとなく得した気分である(笑)

あと少し統一感があって、深度をとれば、読み応えのある凄い話になりそう。
ちょっともったいないなぁとも思ってしまう。
何様でしょうか。

『いちばん初めにあった海』 加納朋子 角川文庫 (平成12年5月初版発行)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後の一文に関連して。
ウルフルズ『暴れだす』の

あぁ 神さまオレは 何様ですか

が、たまに頭の中で回ります。





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最終更新日  2005年02月25日 23時46分03秒
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