ORANGEVERT

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2005.03.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 恒例の百草園の「組香」 行って参りました。

 今回のテーマは「梅に鶯」

まず最初に

ひらかぬ梅、ふふめる梅、梅の初花、さかりの梅、という
4種類の違った香を聞きます。

そのあとで2種類違った香を聞いて当てるのですが、
その2種類は、「客」という今まで聞いていない香と、
4種類の中のどれかと同じ香とで構成されています。

今回も正解者ナッシング。


1番最初に聞いた香(ひらかぬ梅)と同じ香が、あとの2種に入っていたのですが、
火味が違うのでまったく違う匂いに感じられるのです。
前回、正解者なし、の時も、やはり1番最初の香と同じ香があとからきて、
誰もわからなかったような気がする^^;


香水のトップノートとベースの違いのようなもので、同じ香りでも、
違った横顔を持つんですね~。だから、面白いし、口惜しいし、
やめられない、とまらない。

最初に聞いた香は「岩根」という銘の木で、名前の通り固い香木、だそうです。
凛としたキツメの香りが持ち味、と先生の説明にありましたが、

最初に聞いたときは、むしろ甘くふっくらしていたような気がする・・・。

「甘いような気がするんですけど~」


「ああ、じゃあ甘く出てしまったのね。」とおっしゃった。
そういうことは、よくあるそうだ。
むしろ後の2香で改めて聞いたときの方がシャープで濃い香りがして、
先生の言う「岩根」らしさが出ているような気がする。

たぶん最初より後の方が火味(火加減、火の温度)などが、ちょうどいいんだろうな~。最初に嗅ぐ香は、やはり、どの香を嗅いでも淡白になるもの。


聞くほうは、そこまで考えて聞かないといけないのだ。

だから、単純な嗅覚だけの勝負ではなく頭も使わなければならない。
繰り返し同じ香りをかいだり、さまざまな香りを知っているキャリアの長い
人の方が頭脳戦では有利だが、だから、といって毎回勝てるわけではないのが
面白いところ。

私は最近、煙草を吸い出したので不利かな、と思ったけれど、
全然そんなことはない。むしろ、お香を嗅ぐときも煙草を吸うときも呼吸は
一緒なので、かえってリラックスできた感じ。


お香は一人一人が声を掛け合ってプレイする。
「ひらかぬ梅」の声かかりゲームスタート。
中盤の人がまだ「ひらかぬ梅」といっているときに、もう最初の人は
「ほほめる梅」の声をかける。
輪唱みたいな感じになる。
最後の人が「ひらかぬ梅」といっている時には、
もう最初の人が「初花」を始める。

梅って数千種類もあって(その中には、現存していず幻の梅、になっているものも
多々ある)咲く時期も様々なのだが、お香していても、その感じが愉しめる。

「初花」の聞香の時、あらかじめ渡された梅の形に切った色紙を
一輪、自分の前に置くことになっている。
そして「さかりの梅」で色紙を散らばして満開にする。

そして、残り2種を聞くときに初めて「出香(しゅっこう)」の声がかかる。
ここから先はしんとした凛とした無音の世界。

当てた人には香悦先生の描いた「鶯」の短冊が置かれ、「梅に鶯」という
趣向なのだが、今回は「鶯」は鳴きませんでした^^:A


※ 客:というのは「客人が持ち込んだ香」という意味。
    香合わせで、客が持ち込んだ香は試し香はしないので、
    試し香とは異種の香のことを「客」またはウカンムリから
    とって「ウ」といいます。客には「梅のなんとか」という
    文言は付いていません。



 お茶とお菓子を食べながら、
「いつも同じ話だから、聞くともなしに聞いてください」と
前置きがあって香悦先生の話が始まる。

だが、「いつも同じ話」と言いながら、たまに違った話が混じるので
油断できない。

今回は梅にちなんだ冬の遊び「九九消寒」の話が面白かった。

1600年代くらいの北京で贅沢人たちが冬の寒さと無聊を慰めるためにした
梅を見ながら酒を飲み春を待つ遊び。

81輪の白い花を咲かせる梅の木を持つ亭主が、まず冬至の日に9人の客を呼ぶ。
そして酒を飲み、梅に関する話をしたり歌を詠んだりしながら一日を過ごし、
9輪の梅を染料で赤くする。

そして9日毎に同じ宴を行い、9輪ずつまた赤くしてゆく。
これを9回くりかえすと彼岸になる、と。

私はぼんやり聞いていたので聞き違いをしていて、
「9輪の梅を赤くする」というのは9人の客人が酒を飲んで顔を赤くして帰ってゆくことの例え、だと思っていました。

「染料はどうやって手に入れるのですか?」と質問した人がいて、
初めて間違いに気づいた。赤面。

 これは、ゆったりした時間の遊びですね。
 贅沢な人っていうのは今も昔も時間で遊べるんだな~、とうらやましかった。

先生は九九にまつわる話が好きで、よく九九にちなんだ「組香」をする。
孫悟空や膝栗毛でも「組香」を作った、というので私も参加してみたい。


最後に短冊がちょうど出席した人数分だけある、というので
みんな、もらえることになった。

「いいですよね、お配りしても。」と香春先生が言うと
「う~ん、人数分あるんだったら」と香悦先生が渋々言った。

梅の色紙は片付けたあとだったので

「梅が散ってから鶯が、やっと来ましたね」と、
みんなで笑った。

※※※※※追記※※※※

これは自分のための覚書

今回の銘木は

1 ひらかぬ梅=岩根
2 ほほめる梅=滝の白糸(鹹)
3 梅の初花=梅の下風(酸)
4 さかりの梅=白雲

客 松虫(酸)
5 鶯梅宿=岩根

ちなんだ歌は

■雪さむみ咲きはひらかぬ梅の花 よりこのころは さてもあるがね

(まだ雪が降っていて寒いから無理して咲かなくてもいいよ)

■ふふめりといいし梅が枝 今朝降りし 淡雪に逢ひて 咲きにけむかも

(すこしツボミがふくらんできたようだけれど、
 今朝、雪が降ったから咲かないかも)

■来て見へき広もあらなく我が家なる 梅の初花 散らぬともよし

(初花が咲いたけれど 誰も来ない家のことだから散ってもいいや)

■梅の花 今さかりなり百鳥 馨のこひしき 春来るらし

(梅の花も今がさかりで鳥の声もちらほら、もうすぐ春は来るのかしらん)

■わが宿の梅のしづ枝にあそびつつ うぐひす鳴くも 散らまく惜しみ

(家に咲いた梅の枝に 鶯も来て鳴いている、そろそろ散ってしまうのか)


万葉集の中で一番歌われている花は「萩」142首あるそうな。
その次が「梅」119首。
梅が日本に到来したのが奈良遷都の頃だったことを考えるとこれは
驚異的な数。
ちなみに柿本人麻呂は「梅」にちなんだ歌をまったく詠んでいなかった
ことを考えると彼の死後、到来したらしい、と言われている。

万葉集では梅の香りについて歌ったものは殆どない。
そのあとの古今集では「梅」といえば香りにちなんだ歌ばかり、だそう。


古事記、日本書紀などもそうだが万葉集とか古今集、って
一種のデータベースだったんだろうな~、と思う。
今、私たちがインターネットを使って、時間や空間の制限を越える、ということを
当時の特権階級の人たちは言葉を使ってしていたんだろうな~、と。

そのころの言葉の力、言葉ができることって
今とは図り知れないくらいパワーが違うんだろうな~、とちょっと思いました。





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Last updated  2005.03.06 19:16:16
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ゆう@ とうとう出ちゃったね うわさは本当だったよ。 http://himitsu.…
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