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Sep 16, 2005
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カテゴリ: 日常
人口減少がこの国の未来に深刻な影響を与えることがわかっていますが,歯止めはかかる可能性があるのでしょうか?

現在の少子化のなかで,産科医と小児科医の不足(視点を変えれば新しいなり手がいないため,産科医と小児科医が過剰労働に耐えかねて,それから医療訴訟の多さに恐れて逃げ出している状況)が問題になっています.


産婦人科医師がゼロになった病院数(2003年~2004年:厚生労働省HPより)
        1186病院中 117病院(9.9%)


厚生労働省研究班の調査では産婦人科医が全体の約3割が「産科をやめたい」といっています.

他のWebで「産科をやるということは今の世の中ではイラク郊外の地雷原でサッカーをするに等しいリスクがあるのだ。」という表現を見つけましたが,この国はこの先大丈夫なのでしょうか?

訴訟大国,米国の例(ジョークも含めて)
1)医師は弁護士のATMである.(医療訴訟で弁護士は欲しいときに好きなだけ医師からお金をもらえるという意味なのでしょう)

2)「救急車の後を追いかける医事訴訟弁護士」というジョーク.現場に到着するやけが人に「訴えましょう,必ず勝ってみせます」(患者はまだ病院に到着していないのだが,,,)



4)それでも保険に入れる医師はまだましかもしれない.整形外科では12の州で医師賠償保険に入れなくなる事態が生じた(2002年).このため彼らの40%は脊椎の手術をやめた.20%は救急室からコールがきても応じないことにした.11%は医師を廃業するか,全ての手術を行わないことにした.

こんな記事もありました.
「ハワイからドクターが減っていく.
ハワイでも年々増加する医療裁判と、ドクターが加入する医療過誤保険の
高騰により、一部の医療業務を停止するドクターやクリニックが増えている。とくに整形外科医と産科医の不足は深刻で、整形外科医はこの10年間で29%の減少、産科医も最近2年間で9%減(現在州全体で146名)となった。また産婦人科医の42%は向こう5年間に産科医療を停止する予定という。」


かつてポンド下落により経済が困窮したイギリスでは
(厚生労働省資料より一部抜粋)

1)1999年末のインフルエンザ流行によりウェイティングリスト問題が再燃した(例:ガンの手術がベットや麻酔医不足によりキャンセルされ手遅れになる等の事案が頻発)

このため患者が他の国に行って治療を受ける状況も生じている.
「股関節手術や白内障手術など特に長期間の待機が問題化し、かつ、移動自体に大きな問題がない患者につき、医師会や患者団体の要請を受け、ドイツ、フランス、ギリシャ等の海外の医療機関に対しても診療の委託が開始されている.」

英国政府は医師,看護師の増員,救急ベッド30%増などを目標を掲げて以下のように改善しようとしている.


2)救急患者の最大待機時間を2004年までに4時間とする。
3)2004年までに一般家庭医へのアクセス待機時間を最大48時間以内(熟練看護婦等との面会は24時間以内)とする。

それが達成されてもすごい待ち時間ですね,,,,

ちなみに100床当たりの病院で働く医師および看護師数は米国の1/5であり,日本の医療スタッフは本当に良く働いているではないかと思っているのですが.

日本に来たアジアからの留学生は「日本の医師は非常に長時間良く働く」ことにまず驚きます.



医療訴訟が多いのは産科と整形外科で,日本でも両科の医師賠償保険が今度割り増しになるようです.

日本の医療システムは「世界で最も成功した社会主義」として賞賛を浴ていたのではなかったでしょうか?思い違い??

周産期死亡率は世界で最も低く,WHOが勧告する帝王切開率に最も近いのは日本だと思います.(帝王切開では自然分娩より母体死亡率が4倍くらい高くなる.しかし訴訟を恐れる状況あるいは国では帝王切開率が異常に高値になる.)

米国で健康保険に加入していない4300万人.その約半数は費用を理由に治療を受けることを延期しています。無保険人口の40パーセントが処方された薬を買うことができないと報告しています.(ファイザー社)

米国ではHMO保険に入っていても
なかなか必要な治療を認めてくれず,患者が苦しむあるいは治療が手遅れになる事態も生じています.

また保険会社からの一方的な支払い削減で、胆嚢摘出術なら請求金額の18万円に対して実際の支払いは8万円程度しか支払われない。例えば冠動脈バイパス手術でも51万円の請求に対して支払いは19万円程度である。このような状況下で米国の医師が生き延びようとするならば、患者の数をこなすか、条件の良い保険を持っている患者を探すかであるといっています.

1989年からの10年間で、米国の物価指数は36%上昇したそうですが,これに対して医師の年収増加分は全科平均で25%程度.しかし産婦人科医に至っては3%に満たないそうです.


「産科医の不足」
これは先進国全体の問題かもしれません.

割りに合わない職業からは人が逃げていくというのも経済原理の一つなのかもしれません.


上記の文章には私の思い違いもあるかもしれませんが,,,,,

がんばっておられる産科医のかたへ,
暗いことばかり書いてしまい申し訳ありません.






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Last updated  Sep 16, 2005 08:42:06 PM
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