コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.10.21
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カテゴリ: コミック感想

ラブコメなのはいいんですが…勢いが足りないなという感想です。
コメディ部分が滑ってるというか…笑わせにくるという勢いがなくて、読んでても笑えないし、ほっこりもしないし、ほのぼのもしないし、すごく平坦なんですよ…

コメディでこの平坦さはちょっとまずいんじゃないかなっていうくらい。言葉を飾らずに言えば、「つまらない」んですよ。

絵自体は、そこまで下手でもないのですが、かといって上手いとも言えず、漫画にメリハリがないんですよ。


これってたぶん、某悪役令嬢に転生した某おじさんを意識してますよね?
髪型とかがまさにそうですし。
そのせいもあって、物語に没入できないんですよ。
あちらとはまったく違う話なのだから、キャラデザをどうして寄せてしまったんだろうとしか思えないんですよ。


読んでて、ヒロインのミラベルはもしかして日本人の転生者なの?と疑いました。
「遺伝子が同じ」だの言うけど、この世界のこの時代設計で「遺伝子」ってもう周知されてるの?

まあそれは流せたとしても、日本人でもないのに「おもしれー女」とかいう言葉を出しちゃって…なんというか、ギャグが痛いんですよ…滑ってるというか。

わがまま令嬢のアナベルの身代わりになっていろいろと画策するっていう話自体はありがちのものだし、ありがちゆえに「あり」だなと思うんですよ。
双子の入れ替わりを、いとこに変えただけですからね。
それ自体も別段不自然ではないし、アナベルも暴君だの言われているけれど、ただのいい子なんですよ。

ならばなぜあんな「暴君令嬢」になんてなったわけ?
そもそもここが呑み込めない。

アナベルは、両親に愛されるミラベルをうらやんでるし、そのミラベルのことをとくにこき使ったりはしないんですよ。アナベルとミラベルは仲がいい。

だったら、身代わりなんてもどかしいことはせず、途中からでもアナベルが公爵に直談判して、事情があって身代わりをしてもらっていた、ミラベルをお気に召したのなら、婚約はミラベルにと頼めばいいじゃないですか。
「暴君令嬢」なんでしょ?


もうこの設定で躓いちゃってるんで、楽しめないんですよ。

これはラブコメで、公爵とミラベルとの恋のすれ違いとか勘違いとかを楽しむ話なんですよね?

なのにどこにどう「勘違い」を楽しめる要素があるのかがわからないんですよ。
設定に無理があるからです。

伯爵令嬢のあの髪型で「悪役令嬢」みたいなしぐさをさせて、実はごく普通の女の子なんですー的なことをしたいのかもしれないけど、それがうまくできてないんですよ。



某おじさんの面白さってのは、ギャグが古臭いオヤジギャグだったり、おじさんの経験を生かしたさまざまなことが「令嬢」に合致して、周りからの評価がうなぎのぼり、悪役のはずなのに「どーしてこーなるのっ」という、ベッタベタでコッテコテだけど、そこがちゃんと楽しいんですよ。

「おじさん」がちゃんと強みになっている。
もちろんあれにしたって、ギャグがわからなきゃつまらないってこともあるでしょうが、ひとつひとつのエピソードがちゃんと考えられて「設計」されてるんですよ。当然ですけどね、漫画家としての経験値が違うから。

だからこそ、キャラデザ寄せたのは大失敗だったと思うんですよ。
パクりだなんだとは、まったく思いませんよ?なにしろ話が全く違うから。
そして令嬢のあの巻き髪だってよくある「令嬢」の型ですので、かぶるのは自然なことです。

でも、やはり「どうしてキャラデザ寄せちゃったかな」と思ってしまうんですよ。
コメディだから、です。

わがまま放題の令嬢を「演じよう」としている、という設定が似てるから、というのもあります。

ミランダの性格設定もあまりよくないなぁと感じたんですよ。
大好きなジュエリーがあるってのはいいと思うんですが、アナベルの頼みごとを聞く代わりにそのアクセサリーを躊躇なくもらうんですよ

ほんとにそのジュエリーが好きなの?

ほんとにそのブランドのジュエリーが好きで、リスペクトしているのなら、「他人をだます手伝いをして得る」なんてこと、します?

こうかなジュエリーで、手が届かないからこそ、いつか「自分の力」、つまり稼ぎであれなんであれ、正当な手段で手に入れたい、と思いませんかね?


初めはいいんですよ。
アナベルがどうしてもというから「人助け」だからと「エール」のジュエリーをもらっても。
それはきちんと「対価」としてミランダもその時は納得できたはずです。
アナベルには好きな人がいるとも聞いたし、それならばなお、アナベルのために公爵との婚約を破断にもっていくために奮闘しよう、と思うでしょう。

でも途中で、公爵をだましているとミラベル自身が悩むんですよ。
あんないい人をだますなんて、と。

ならばもう、いくらアナベルが「エール」のアクセサリーで釣ってこようと、それをやすやすと手にとってはいけないんですよ。
のっぴきならない状態になっていて、アナベルが懇願したのなら、「エール」はいらないと突っぱねるべきですよ?

つまりこのヒロインのミラベルは、他人をだまして高価な何かをもらうことになんら「罪悪感」を持っていないってことになってしまう。

そんなヒロインに、どう共感すれば?


そして公爵もです。
なんというか…嫌悪感とかはないんですが、ものすごーく薄いんですよ。
冷やかな目がどーとかいってますが、別に怖そうでも冷徹そうでもなく。ほんとに存在している意味すらない、ただの棒人形なんですよ。
ヒロイン持ち上げ係ってだけで、これといった個性がない。


コメディなんですから、この公爵もちゃんと動かさないとだめなんですよ…ラブコメなのに相手役の男が無個性とか……
ただのヒロイン持ち上げ係でしかない男と、その男をだましてアクセサリーもらってる女とのラブコメなんて、楽しいわけないし、ほっこりもにっこりもできません

これはいったいどういう話にしたかったんだろうと思うんですよ。
笑いどころも用意はされてるんですが笑えず…先に進むほど「笑えないな」としか思えないんですよ。
ヒロインを、いったいどういう子にしたかったのかがわからない。
こんなんで「溺愛」が始まったとしても、きっと笑えないな、としか。


絵自体はそこそこといった感じで、まあ、漫画としてうまくはないけど、読むのがストレスってほどでもなくちゃんとかけているので、そこは気になりませんでした。見やすく、とっつきやすい絵柄だと思います。

あまり深く考えずに読む分には良いと思いますので、令嬢おじさんがちらつかない人にはいいかもです。





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最終更新日  2025.10.21 22:00:09
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