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無力感を現出した団塊ジュニア、それに引きずられる就職氷河期世代――これは、学園紛争が行き詰まった時代の繰り返しではないだろうか。
最近、「空気を読まない」とか「KY」といったキーワードがトレンドである。
同じテーマを扱っているのだが、「 一流の人は空気を読まない
」(堀紘一/角川書店/2008 年 10 月)に比べて読みやすいのは、著者が、われわれ新人類の先輩にあたる「シラケ世代」だからであろうか。
著者は、「『クウキを読め』という言葉を聞いたら、即座に『もっと卑屈に生きろ』といわれたのだ、と思うようにして」(108 ページ)いるという。ごもっとも。
「クウキを読め」と、団塊世代のプレッシャーを受け続けたのは、まさに著者の世代であった。それを横目で見ていた新人類は、先輩世代を哀れに感じつつも、自らはそこまで卑屈にならないと心に誓ったものである。
著者は、「若い世代になるほど『世の中は変えられない』という無力感です。『変えられない』が『変わらなくてもいい』へと、いつのまにか変化しているのかもしれません」(206 ページ)と指摘するが、これこそ、かつて学園紛争で行き詰まった団塊世代が経験した無力感であり、その下の世代が「シラケる」引き金となった流れではないだろうか。いままた、その無力感を演出しているのが団塊ジュニアであり、それに続く就職氷河期世代がシラケているように見える。
歴史は繰り返す。しかし、Google や Yahoo!を使いこなす「検索バカ」である新人類世代は、検索結果の先に価値を見いだしていると信じたい。
■メーカーサイト⇒ 藤原智美/朝日新聞出版/2008年10月 検索バカ
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