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原子力規制委員会は20日、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、60年までの運転延長を認可した。東京電力福島第一原発事故の後、原発の運転期間を原則40年とする制度ができてから初めて。運転延長の審査の「ひな型」ができたことになり、「例外」とされてきた運転延長が他原発でも相次ぐ可能性が高い。
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1号機は2034年11月、2号機は35年11月までの運転を全会一致で認めた。ただ、関電はケーブルの交換など安全対策工事に3年以上かかるとみており、再稼働は早くても19年秋以降になる見通しだ。
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原発の寿命は40年とされていて、一応20年は延長可能ということにはなっていたが、その延長とは極めて例外的に安全であるものを延長するということだった。それが、今回初めて40年を超えた老朽原発の運転延長が認められるということで、他のところでも含めて相次ぐ可能性が出てきた。
では、世界に目を向けた場合に、この40年という寿命説はどうなのか。40年こそが短いという議論もあるが実際のデータを見れば明らかだ。
世界ではこれまでに50年以上運転した原発はそもそも存在しない。
一番古い原発は47年前にできたアメリカのオイスタークリーク原発とスイスのベツナウ原発がある。
オイスタークリーク原発はさすがに古いということでアメリカの原子力規制委員会から安全上問題があるということで、2019年に閉鎖が決まっている。
去年の「The World Nuclear Industry Status Report 2015」で162機の閉鎖された原発の平均稼働年数を出しているが、それは24.7年ということでそれほど長くない。そのことを踏まえても日本の最大60年運転可能とは、異例に長い、極めて例外的ということが明らかだ。
本当に60年も運転が可能なのか、ある意味、未知の領域に飛び込んでいくことになる。
出典:The World Nuclear Industry Status Report 2015
古い原発を無理に使うよりも新しい原発をつくりなおした方が安全性も高まりそちらの方が良いのは明らかだが、日本では原発をリプレースするといった議論が非常にしにくく、脱原発を望む声が世論調査を見ても6~7割あるため、新しい原発をつくるというのは時代にそぐわなくなっている。また、1から新しい原発をつくるとなると、立地から完成まで時間もかかり、かつ莫大なコストを要する。それであれば、今までのものを使い続けた方がいいだろうということになる。
去年に、政府の方で電源構成の有識者会議を行っていたが、2030年時点の電源構成の見通しでは、原発の比率を20%から22%として、再生可能エネルギーが22%から24%といった原発よりも少し多いといったものを決めている。ただ、日本にある原発はどれも古くなっており、この2030年に20%の電源を維持しようとすると寿命により確保できない状況だ。その目標を定めてしまった以上、どうなるのかといえば原発比率20%を確保するために、今ある40年以上になりそうな原発ほとんどを延長して使うということを前提にした数字だったということもあり、そういう意味では何が何でも運転延長をさせ他の原発も同じように延長を模索すると見られる。
これでは、国民のために安全性を審査しているというより、電源構成目標達成のために国民を危険にさらしているようにも思えてしまう。
古い原発の方が間違いなく危険性は高まることを思えば、原発を使い続けるという選択をするのであれば、もっと真正面からリプレースの議論をするべきであり、こういうやり方をしていると新しい基準ができたからといっても不測の事態が起きるリスクは高まる。国のエネルギー政策とは全く関係なく、安全性だけを見て審査を進めていくべきだ。
・高浜1、2号機延長認可=運転40年超、老朽原発で初-再稼働19年秋以降・規制委 - 時事通信
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062000440&g=eqa
・参院選の争点から消えた「原発問題」?たった5年で大事故は“なかったこと”に… - 現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48904
・脱原発・再エネ推進で「企業が国外に移転する」という大嘘のカラクリを暴く - ハーバービジネスオンライン
http://hbol.jp/79938
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