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2005年08月13日
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フジテレビの終戦60年記念ドラマです。

フィリピン・ルバング島で生き残っていた旧日本兵・小野田寛郎さんが帰国したのは、私が小学生になる前のことだけど、グアム島から帰国した横井庄一さんの名前とともに、テレビのニュースでなんとなくは記憶にあります。

ただ、小さかったので、どうしてそんなに長い時間帰国しなかったのかとか、良く分からなかったし、あまり興味もありませんでした。

今年は、終戦60年の節目ということもあり、この手の番組が多いようにも思いますが、ちゃんと見た番組はこれが始めて。
中村獅堂が主役で、堺雅人も出演するというのでなければ、見なかったかも(爆)

小野田さんが、諜報活動を行うよう教育されたエリートであったことは、このドラマで始めて知りました。教官から「天皇陛下という言葉を聞いただけで直立不動になったのでは、スパイとして失格だ。」「天皇陛下も、実は人間であるということを覚えておけ。」という教育を受けていたことなどもちろん知るはずもなく。

信じるのは自分のみ。ゲリラ戦では、どこに敵が潜んでいるかも分からず、自らも常に動きながら、敵に悟られないようにしなければいけない。
そんな過酷な状況で、部下をひとり、またひとりと失って、小野田さんはそれでも戦い続けたのはどうしてなんだろう?

現地民からもらったラジオで、終戦後の日本の様子を聞いて、小野田さんは、実は戦争が終わったことを理解していたのかもしれない。


しかし、それでも自分だけを信じていたのは、自分にはやるべき仕事があると信じていたからなのだろうか?信じないでは生きていけなかったのかもしれない。

部下の小塚と喧嘩する場面で「戦争が好きな人間などいるはずがないだろう!」と言ったのが印象に残っている。そして、「戦争は、国と国が行うものだが、実際に白兵戦で戦っているのは、個人なんだ。」という言葉。
国の都合で戦争を始め、最前線で戦って命を落として行くのは、結局たったひとりの人間なんだ。そのひとりひとりは、おそらく「それが任務なんだから」という思いしかなかったのだと思う。決して、積極的に人殺しがしたくて戦地に赴くものはいなかったはず。

戦争は、人と人が殺しあうこと。でも、お互いを「個人として」憎んでいるわけではない。それが「仕事」だから。

国民に、人殺しという「仕事」を、国の指導者は与えては、絶対にいけないんだ。

小野田さんだって、本当は帰ろうと思っていたのかもしれない。あまりに大きく変化した祖国の様子を垣間見て、帰国することに戸惑いと不安を覚えていたのかもしれない。そのきっかけが「上官からの任務解除命令」しかなかった。

このドラマを見ていて、ふと思ったのが、北朝鮮のことでした。
北朝鮮の工作員とか、あるいは国民全員が、この当時の小野田さんのように、「教育」されているのではないか?世界を相手に、戦争状態にあるようなものではないのかな?ということです。

そして、戦後60年というけど、大平洋戦争の後、日本が積極的に参戦していなくても、いくつもの戦争が世界中で起こってきたということ。その度に、「国と国との戦い」にかり出される「個人」がいて、「仕事」のためだけに人を殺していたのだということ。
いつになったら、こんな愚かなことを人間は辞めるんだろう。

このドラマは、小野田さん本人が監修したものなので、かなり事実に近いものなんだと思います。帰国した小野田さんに、意味のない質問をあびせるマスコミ。「この30年間で楽しかったことは?」って、あるわけないだろ~!と思うけど、やっぱり「なにひとつ、ありませんでした。」そして、帰国してきたにも関わらず、「軍国主義の亡霊」とか後ろ指さされて。



遠いブラジルから、小野田さんは今の日本をどんな気持ちで見ているのかな。自分の辛い体験を、生々しいドラマにすることを承諾したのは、あの戦争のことを、風化させてはいけないという思いからなのだろうか?

この季節だけしか、戦争の悲惨さに思いを馳せることなんてない人がほとんどだと思うけど、それでも、考えないよりは良いのだろう。
こんなドラマや特別番組がなくても、戦争だけでなくテロのような恐ろしいニュースを見て、平和について考えざるを得ない状況とも言えるのだけれど。





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最終更新日  2005年08月14日 00時07分02秒
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