2019.08.05
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カテゴリ: 映像
先々週のことだが、レッスンに使うプリントの整理をしながら、FMを聴いていたら、あらあら懐かしい音楽、これ聴くと目頭が熱くなるのよねーとパブロフの犬並みに条件反射してしまう曲が流れていた。

映画「砂の器」のクライマックスシーンで流れた「宿命」である。


なんでこの曲を流しているのかというと、この映画の音楽監督は芥川也寸志さんだが、「宿命」を作ったのは菅野光亮さんという作曲家で、40代でこの世を去られたのだが、ご健在であれば80才という生誕80年にちなんで、ということらしい。

菅野さんは芸大の作曲科を卒業して、音楽コンクールで優勝されたが、卒業後はジャズピアニストになられたという変わり種のようで、FMでも「宿命」以外の曲を流していたが、どちらかというとクールで洗練された作風の曲ばかりなのに、砂の器ねえ?

さんざんリメイクされた作品ですが、私はやはり若いころVHSで見た加藤剛さん版が衝撃的だったかな。
この映画の肝はラスト30分だといわれています。父が当時治療不可能の難病に罹り伝染を恐れた村から息子とともに文字通り石もて追われ、親子で巡礼の旅に出ますーというより行き場のない放浪ですね。
このシーンは人形浄瑠璃の手法が使われているそうです。
語りの部分を丹波哲郎さん扮する刑事さんの事件説明、人形浄瑠璃だと三味線が用いられる音の部分をピアノ協奏曲「宿命」、人形は親子の巡礼になるそうです。

不治の病、親子の絆、ケガレを嫌うムラ社会ーとある意味大変ウェットな情景、そして人形浄瑠璃と、菅野さんにとっては、まるで毛色の違う作品を芥川也寸志さんの指導の下に作曲したそうですので、壮絶な産みの苦しみを味わった楽曲なのでしょうね。


この曲を聴いていると、収容所に向かう電車に乗り込む父を裸足で線路を駆けて追いかける息子、捜査の大詰めで、収容病棟に入院している父に刑事さんが立派に成長した息子の写真を見せると、すべてを察した父が「こんな人、しらねええ!」と絶叫するシーンとすぐに思い出すことが出来ます。

ああ、もう思い出してしまったではないですかあ。

動画:​ 砂の器:ダイジェスト ​

泉下におられる菅野さん、「あれは翻意ではないのだがなあー」なんて呟かれているような気がいたします、もちろん妄想ですが。





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最終更新日  2019.08.05 23:12:31
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