ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 5, 2006
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「元祖ドレミの歌」

 今日の練習に急遽助っ人として参加してくれたソニアさんは、一見とても内気そうなのに、バイオリンを構えたとたんに別人になる。音程やリズムもしっかりしていて、アンサンブルにも慣れてそうな感じ。

 そんな彼女が第1バイオリンで弾きたいと選んだ曲は、意外にもモーツァルトの初期作品、しかも、こてこてのハ長調。もっと弾きがいのある曲を選びそうな人だけど、どうやらカンペキ主義者らしい。僕はセカンドを担当した。

 モーツァルトの初期の四重奏曲をちゃんと合わせてみるのは、自分としては初体験。この曲をやることは事前にわかっていたし、楽しみにもしていたけど、結局、自己練習もせずにぶっつけで臨んでしまった。で、今思うと、逆に先入観なしで弾けて良かったのかもしれない。

 初見で練習に参加しといて偉そうなことは言えないが、ここだけの話、どうせモーツァルトの初期を弾くんだったら、僕は「弦楽のためのディベルティメント」(K136、137、138)を弦楽四重奏で弾くほうが好き。あるいはハイドンのほうが楽しそう。

 この作品、最初の四小節を強引に書き出してみると以下のような感じ。とっても単純明快。

どーぉれみっみっ、みれふぁみれー(うん)、
れーぇみふぁっふぁっ、ふぁみそふぁみー(うん)。

 注)「うん」は休符を示す。

 恥ずかしげもなく堂々とドレミで始まるので、ちまたでは「ドレミの歌」の愛称で庶民に親しまれている(らしい)。

短調の2楽章

 終楽章(3楽章)は、猛スピードで演奏するとすごく燃えるし、そのうえ萌える。

 全体的に、思ったよりは楽しく弾けた。モーツァルトが書いた23曲のカルテットのうち、この曲を含む最初の13曲はほとんど弾かれることがないようだけど、意外な名曲が隠れている可能性はある。この曲の2楽章がそれにあたるかも。

 強いて難点を挙げれば、チェロパートが退屈すぎるので、おそらくチェロ弾きには敬遠される曲であろう。





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最終更新日  Dec 8, 2006 11:20:28 AM
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