ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Nov 18, 2008
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 「リーダーシップ」とはいったい何なのだろう。(←お、重いっ……)

 先週ピアノ三重奏の練習をしてるときに、ちょっとだけ口論になった。毎度のことながら三者の均衡感覚を揃えるのはほんとに難しい。音楽に限らず、三人という人数はただでさえ微妙だし。
 どの程度まで個々人が勝手に弾き、どの程度まで協調し合い、どの程度まで「リーダー」が統率すべきなのか。互いの意識が少しずつ食い違ってて、いつのまにか緊張感の漂う練習になってしまった。

 ピアノ弾きやセロ弾きに、「困るんだよねー、バイオリンの人がちゃんと率先して音楽づくりしてくれないと」とか言われると、思わずカチンと来てしまう。素直になれなくて。
 っていうか、和を以って尊しとなすというニッポン(だか中国だか)の美徳もアメリカ人に少しは知ってもらいたいとも思う。

 ま、やはり自分は「リーダー」には向いてないのかも、とちょっと凹んでみたり。

 こんな自分でも、リーダーの経験がないわけじゃない。一応は過去にいろんなアマオケでコンマスとか首席を弾いたことがあるし、それに、ご幼少の頃は「生徒会長」もやってたのに……。←いつの話だ?

 言い訳させてもらうと、僕だって、弦楽四重奏あるいはピアノ四重奏以上の編成で第1バイオリンを弾くときは、それなりに責任を感じながら弾いてるつもり。自分が弾けてないことをいちいち卑下して謙虚に振る舞っても始まらないので、それをちゃっかり棚に上げることも大切。上から目線、「あなたがたとは違うんです」的な態度でヒンシュクを買う一歩手前、指導ではなく主導するのが理想のストバイ像。

 でも、これがピアノ三重奏となると全く違う。リーダーだの副リーダーだの言ってる場合じゃない。三人の間に明確な上下関係を設けることなど無意味。もしどうしても誰か一人が主導すべきなのであれば、それはバイオリンではなくピアノ弾きなのではないかというのが僕の意見。弾いてる音符は一番多いわけだし、ほかの二人の奏者にとって音も聞き取りやすい。



 リーダーと言えば、ここアメリカでは新大統領が決まった。オバマ氏を慕う国民は、選挙戦のときから彼のことを思い思いの呼びかたで敬意を表している。リーダーだけじゃなく、ヒーロー、あるいはメンター mentor(師、先輩、助言者)。黒人さんの間ではブラザーとも。

 本屋に今並んでる雑誌の大半は表紙がオバマ。異様なまでの盛り上がりに、リーダーへの期待の大きさが窺える。
 ついこないだまでもう一方の候補者を固く支持していた人も、あっさりちゃっかり鞍替え。アメリカ人のそんな変わり身の早さはあまりに潔く、感動的ですらある。そしてちょっと滑稽。


追記 : コンサートマスターのことをイギリス英語圏ではリーダーと呼ぶ。マイスターとかシェフとか、国によっていろんな表現があるらしい。そういえば以前、「マスターという言葉は、黒人奴隷が白人の主人をそう呼んでいた時代を思い起こさせて不快!」とか言い放ってた黒人の友だちがいた。





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最終更新日  Nov 22, 2008 11:45:17 AM
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