ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 7, 2019
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 ここの芝居小屋は半円型。てゆーか、稽古初日に会場に着いたらオケピットが見当たらないので一体どこなのかと監督に尋ねたら、なんと特設ひな壇。高所恐怖症のぼくには辛いものがありました。

 19世紀のドイツが舞台なのだけれど、分野としてはロック系ミュージカル。格式高く閉鎖的な社会で悶々と悩む思春期の若者たちが、いきなり電子ギターとか手持ちマイクロフォンとかを片手にアメリカンな英語でロッケンロールしはじめちゃうのであります。

 第一幕の最後の最後、主役の男女がもじもじしながらも接吻、抱擁、さらにはあんなことやこんなことをする場面は、おそらく演出家の腕の見せどころ。さすがに役者は全裸にはなってませんでしたが、ぼくの席からは一部始終を見下ろせたのでありました。
 ほかにも男女や少年同士であれこれ営む描写も多く、原作の戯曲は20世紀初頭まで上演禁止だったらしい。

 青春を謳歌する若者を称えてるわけではないし、大人社会の矛盾を批判してるというのとも違う。いろいろな解釈のできる作品で、どうやら観客の皆さまには大好評。むしろ、思春期がはるか昔だったであろうおじさんおばさんたちのほうが感情移入できるらしく。

 作曲はダンカン・シーク氏。わかりやすい曲ばかりで、奏者的には助かりました。バイオリンが比較的目立つ曲と言えば以下。
 Mama Who Bore Me
 The Word of Your Body

 Song of Purple Summer

 ちなみに、この演目、バイオリンの譜面には、ギター持ち替えでと書かれてありギャフン。ぼくはギター弾けないので、ギターでと書かれてる曲もバイオリンで強引に弾きました。バイオリンとビオラの持ち替え、という譜面はたまにありますが、バイオリンとギターというのは珍しい。ブロードウェイ初演時の奏者さんがたまたま両刀使いで、その人のために当て書きされたのかもしれず。←Sだまさし氏だったりして





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最終更新日  Apr 13, 2019 12:31:58 PM
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