ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 31, 2021
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カテゴリ: 映画、テレビ
「いわれのない物語」(評価 ★★★★☆ 四つ星)

 ウェス・アンダーソン監督の最新作がいよいよ全米公開となり、さっそく観てきたのでその感想を。
 日本では今週の東京国際映画祭で上映され、そして来年1月の公開が決まったもよう。 https://searchlightpictures.jp/movie/french_dispatch.html
 正式な作品名は The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun(フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊)。

 今回ぼくは新鮮な驚きをもって映画を楽しみたかったので、下手に事前情報を知りすぎないようにし、予告編さえもじっくり観ることはせずイチかバチかでいきなり鑑賞に臨んだのだけれど、それが裏目に出てしまった。とにかく筋がわかりづらい。ある程度の予習は必要だったと今となっては後悔。
 アメリカの新聞社のフランス支局?だかいう設定からして既にややこしい。

 複数の新聞記事(とその取材背景)が描写される。記事自体はそれぞれ興味深いように思えるのだけど、実際はどうでもいいネタばかりのような気もする。
 いちいち登場人物が多いのにも混乱してしまう。まず誰が記者で、誰が取材されているのかをきちんと把握する必要がある。どんな小さな役であっても起用されてるのは大物俳優ばかりなもんだから、脇キャラが脇に大人しく収まってくれてない。

 ま、そんな混沌としたキャラ設定や筋書きさえ何とか押さえてしまえば、この映画は娯楽作としてかなり楽しめるのではないか。つまるところ、映画上級者向けの作品。初心者は最初からお断りということらしい。



 おそらく映像的なかっこよさについては万人が一致した意見を持つはず。古風なのに近未来的。ごちゃごちゃしてるのに寂寥感も漂っている。
 フランスの町並みもいい感じ。パリのような大都市ではなく、中世そのままの地方の小さな町で、味のある雰囲気。

 音楽も良かった。ご担当はアレクサンドル・デスプラさん。そしてピアノを弾いてるのはどうやらジャンイブ・ティボーデさん。

 あと、アメリカ住んでる人、特にニューヨーク人ならすぐ気づくはず。本作に登場する雑誌は、どう見ても老舗週刊誌「ザ・ニューヨーカー」誌のパクり。独特の書体、挿絵の使いかた、取材対象となる大ネタ小ネタらが、他の媒体のそれらとは異なってて、一部の層(文化教養系、意識高い系、富裕層など)から根強い人気のある雑誌。
 ぼくは購読はしてないし、そもそも分量が多く一週間で読み切れる自信ないから購読する気もおきないけど、数年前に出版元コンデナスト社のニューヨーク本社を訪ねる機会があって、以来ますます好印象を持ってる雑誌。社員の方々がとってもいい感じだったし、事務所も整然としていて内装もお上品。





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最終更新日  Nov 6, 2021 09:09:24 AM
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