ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 5, 2022
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カテゴリ: 映画、テレビ
「ペルシャの市場にて」(評価 ★★★★★ 満点五つ星)

 イランの名監督アスガル・ファルハーディー様の最新作ということで期待しまくって鑑賞に臨む。
 英語圏市場での題名は「A Hero」。
 邦題は「英雄の証明」。日本公開は2022年4月。 https://synca.jp/ahero/

 仮釈放ちゅうの貧しい囚人が主人公。金の硬貨の入った鞄を拾ったが、横領することなくきちんと持ち主に返したことでその善行がテレビで紹介され、彼は英雄として称えられる。が、その美談の裏に、実はどろどろした秘密が隠されていたことが徐々にバレていく。

 面白かった。最初のほうはちょっとわかりにくくて、アタマ使って状況把握しなきゃいけなかったけれど、どんどん引き込まれていく。この監督さんは特に構成力に優れているんだと思う。二時間を超える長い作品なのに、うまい具合にメリハリが配置されている。
 アカデミー賞の候補にも選ばれるはず。このような名作を押しのけてまで日本の「ドライブ・マイ・カー」とかが受賞することなどまずありえないというのがぼくの意見。

 イランの庶民の暮らしぶりも垣間見られる。食文化、茶文化、服飾、喫煙、おもてなしの作法とか興味深かった。商店街の場面も何度も出てきて、民族楽器を売るお店もチラっと映ってて勝手に萌えてしまった。

 それにしても人間とは弱いもので、地位や見栄や欲望のせいで余計な言動に走ってしまう。

 それもあって、ためらうことなく満点五つ星を差し上げたい。





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最終更新日  Feb 6, 2022 05:53:09 AM
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