ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

May 5, 2022
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 楽団は13人編成。バイオリン1(リンダ)、バイオリン2(ぼく)、ビオラ(バーブ)、チェロ(オードリ)、コントラバス(ティム)、ギター(ウィル)、アコーディオン(ベブ)、リーヅ系(マリージーン)、ホルン(デレック)、トランペット(ドン)、トロンボーン(ロブ)、鍵盤(マット)、太鼓系(ケビン)。
 演出はジョン、音楽監督はビニー。

 この作品って、映画版含め新旧いろんな版の楽譜が出回ってるらしく、さらに演出上の都合とかでお直しが入って、ぼくらも公演前の下準備はけっこうタイヘンだったけれど、ま、知ってる曲がほとんどだし、わかりやすい編曲だったのでなんとかなった次第。

 バイオリン奏者的に最も弾き甲斐がある曲はおそらく第一幕の晩餐会の音楽。レントラー系舞曲に合わせてフォン・トラップ大佐とマリアが三拍子で踊る。
 「ドレミの唄」もバイオリンに後半ちょっと難しい箇所があって注意が必要。←少なくとも今回ぼくらが使った版での話

 ちなみにぼくが思うに本作品の上演は配役にかかってると言っていい。
 主人公マリア役は演技力と歌唱力と「愛され力」のある役者であれば何とかなるけど、フォン・トラップ大佐は第二幕後半の「エーデルワイス」(←実は難曲)をしっとりしっかり歌える役者じゃなきゃいけない。しかも頑固かつ高貴な紳士という二面性を持ち、さらにマリアと恋に落ちたあとはイチャイチャ系おやじに豹変というけっこう無理のあるキャラをうまく演じる必要もある。

 七人の子役は(長女以外は)そんなに難しい役ではないけど、舞台上に並んだ時に年齢順に背の高低がきれいに見え、かつちゃんと兄弟に見える少年少女たちを起用しなきゃいけない。


 ナチス青年で電報配達員のロルフ(長女リーズルの恋のお相手)役もかなり重要。終盤、修道院の地下に隠れてるリーズルら一家を発見した瞬間の彼の対処(ナチス側に通報するのかどうか)の場面についても、どうやら何通りかの筋書き/演出が世に出回ってるもよう。

 今宵の本番は無事に終了、満員の客席からの拍手喝采がこれまた心地よかったわけで。

 ぼくはこの作品、名作だなーとか無邪気に思っちゃってたけど、オーストリアとかドイツとかの人にとっては、歴史上のわだかまりがあるからお気軽に観られないものなのかもしれない。
 今のウクライナでの出来事とも多少はかぶる内容のような気もする。








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最終更新日  May 9, 2022 10:07:02 AM
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