ほんやく☆こんにゃく

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ちゃしー

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March 19, 2009
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カテゴリ: 日本語
トライアリストの課題を訳していて、
どきっとする単語をみつけました。

それは「incurable cancer」です。

気になったのは「incurable cancer」という
表現そのものではありません。
どのように表現するのかは筆者の自由ですから。

わたしが気になったのは、辞書を引いてみたところ
「incurable」の訳語が「直らない」「矯正できない」
「不治の病人」のようなものしかなかったこと。

「incurable」は「不治の」としか訳せなくなってしまいます。

「incurable」は学術文献や専門書だけに使用される
単語ではないと思います。
一般の文献にこの単語が使われていて、その訳書に
「不治の」と書かれていたら。
「incurable」と定義してある病気にかかった人に
医者が「不治の病です」と告げたら。

その人は、「不治」ということばそのものの意味以上に
ショックを受けてしまうのではないかと思いました。

どんな病気でも「100%、絶対絶対治らない」というものは
ないと思います(進行具合は考えず、病気そのものを考えたとき)。

それに、今は治療法がない病気でも、将来みつかるかもしれない。

でも「不治」というと、なにをどうやっても治らない、
死ぬしかない、という印象を受けると思います。
実際はそうではないのに。

だから、「不治」は特別な場合を除いては



でも「不治」ということを意味することばを
使わなければならないこともあるでしょう。

そういうときのために、
「難治性の」ということばがあるのではないかと思いました。
「難治性」ときけば「治る確率がかなり低い」ということは
わかるのですから。
もちろん、ことばそのままに「治りにくい」という意味でも
使うものだとも思いますが。


課題の英文を見ながら
「治癒率10~15%なのに不治の癌なんて訳したくないなぁ。どうしよう」
と思っていたところ、メディカプラスで
「incurable」を「難治性」と訳してある単語を見つけました。

とてもうれしかったです。
日本語はあいまいだと言われたりするけれど、
その大切さをちゃんとわかっている人もいるじゃないか。
そう思いました。

英語では
「curable」の反対語が「incurable」かもしれないけれど、
日本語では
「治療可能」の反対語は「不治」ではない。
「不治」を意味するときでも、
特別な場合を除いて「不治」とは言わない。
それが日本語のやさしさではないかなぁ、と思いました。
断じて「あいまいさ」ではなく。


もしかしたら、
「incurable」が「不治の」だけではなく「難治性の」も
意味する、というだけかもしれませんが^^;
「難治性の」が辞書に載っていなかっただけで・・・。



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Last updated  March 19, 2009 06:32:02 PM
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