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2004年05月25日
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栗駒山の麓に鶯沢という町があります。町の名の通り鶯が多い町で、あちらこちらから鶯の声が鳴り響きます。元来美しい音色ですので、消して邪魔になることはありません。ほほえましいのは、あの独特の旋律をまだマスターしない若鳥が、一生懸命練習する音色も混じることです。「あともう少し」と応援しながら聞ききります。鶯が多いから鶯沢。いかにも田舎らしい地名の由来のようですが、調べるとかなり古くから呼ばれていた地名のようです。

古代、都から陸奥への道順は、逢坂を超え琵琶湖を縦に横切り、賤ヶ岳を越え敦賀に出ます。ここから北に船で日本海を進み、酒田か象潟あたりから東に陸路をとり、栗駒山のなだらかな裾野を越えて陸奥に入ります。深い山道から平坦な里の道にかかる入り口にある鶯沢は、旅人の休憩所であり、この鶯は、目印でもあったようです。

かって、前九年の役という大きな戦いがあったとき、この街道の警備のため源頼義、義家親子は、鶯沢に陣を張りました。それに対峙する阿倍貞任らは、その沢を越した北側に計須見(けすみ)山に陣を張り、源親子を苦しめました。その時、源親子のもとに白い鶯が飛んできて、陣を勝利に導いたとされています。地元では、白鶯(はくおう)の神として崇められ、鶯をいっそう大事にしたと言われます。

鶯は、雀のように枝から枝に飛ぶ姿を見せることが少ないです。セキレイのように沢を渡る姿を見せることも少ないです。静かな山里にどこからとなく美しい声だけを覗かせるおくゆかしく、神秘的な鳥です。山道を越えてきた旅人が、この沢で一服をとり、鶯の声に包まれた休息の一時を想像しながら、また熟練の声を聞く今日この頃です。





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最終更新日  2012年04月06日 20時05分21秒
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