日本語はダメか2

日本語はダメか2

2008.05.19
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 あなたの一生涯が、今、問われている。突きつけられている。こちらもまた、これまでの生涯を、問われている突きつけられている。

 音を立てて時間が行き過ぎていく。
 やるべきことが片付いていない。気が焦るというかすくむ、というか……。

 母よ、あなたのことは心に掛けているハート忘れてなどはいない。
 ただ、こちらも生きている急いでいる、あなたにしてあげられる、出来ることは限られている。
 今更のようにしょんぼり「親孝行」などという言葉を思い浮かべ頭にたたき込み改めて思い直してみるが、母よ、こちらにはこれ以上の何が出来るとも何も思いつかない。
怒ってる交じって電車に乗る……。


 ふと目に飛び込む記事。

 新聞、TVなどの情報では国の借金は数千兆円、国民一人あたりに換算すれば数百万円とあり、近い将来、国がいつ破産してもおかしくないのです。

 参考までにここを見てください。(ちなみに今は日本の借金は 1,083兆1510億です)

 一兆円というお金がどれぐらいかご存じですか?

 一万円札を積み重ねた場合、ちょうどエベレストの高さになるそうです。

 ということは、同じように一万円を1,083兆円分を積み重ねたらどうなるのでしょうか?

 もはや想像すらできません。間違いなく今の日本は超借金大国です。


 空恐ろしい文字が並んでいるが、それすらも、今はただの記事。母に何をしてあげられるか、に比べれば、しょんぼり遠い遠い数字の並び、手触りのないよそ事。今の状況では、足下に亀裂が走っても、何も感じないのではないか。

 私は鈍感なのか、無神経なのか。


「小説入門」の原稿を書き進めて進めて進めているが、これまた、何故か、むなしく空々しい。だが、これもコチラが生きてある上での身の処し方、世間のしがらみ。執筆する気構えを作り上げかき立ててしょんぼり、それをやらなければならぬ。


 短編小説も書いているが、
 ああ、現実という虚構! 虚構という現実! ふん、何が創作だ。母に関わる現実とこちらの思考が求める虚構の力関係も測れなくて。

 会いたい人もいる。会わなければ片付かないこともある。

 母よ、コチラには何も出来ない、してあげられない。残念ながら、「会いたい」というのではない、会わなければ、という心構え気構えでのことである、ということも、一人呟くことを許して欲しい。

 あと二時間もすればまた出かけるその準備を始めなければならない、電車に揺られる格好をし、人様の前に差し出す顔に作り直さねばならない。
 午後からは、運転免許証書き換えの手続きを済ませなければならぬ。

 母よ、母の生涯よ、長くて重いそれは厳としてあなたの前に、今ある。私と妹以外の子どもたちは、トオイ。あなたはあなた一人で「自分」を御さねばならない、ともはや祈りを込めてお願いするのみ。

 側にあって、話をすればいいか、肩を揉めばいいか、ハート一緒に食事を摂ればいいか、近くに布団を敷いて寝ればいいか……。

 そのようなことだろうか、母の心に迫っている闇を取り払うのは。

 ではあるまい、と思う。すべては、自分一人で向き合うこと、それに尽きるのであろう。迫り来る私自身の闇の無遠慮な忍び笑い。
ハート母よ、すがるべきは、あなた自身なのだ、と祈りを込めて私は呟くしかない。「母」と呼んではみても、母よ、あなたは、一個の肉体、一個の存在、誰の手もあなたには届かない近づけない。「子」と思っても、思い直してみても、ここにある私は一個の肉体、一個の存在、母に成り代われない。

 時間が音を立てて通り過ぎる。
 目をつむり耳を澄ます。
 カラスの声。

 取り壊される母の住まい、崩壊寸前の庭付きテラスハウス二階長屋。多くの部屋が空っぽになっているその辺り。ぽつんぽつんと居残っている老齢者。一人暮らし。公団住宅的機構的経済大国的効率をあげるために高層ビルに建て換えるための取り壊し、そのための立ち退き、転居。

 だが、今追い出される訳ではない、出て行けと言われているわけではない、今の所にそのままいてもらうことが、こちらの親孝行であったかしょんぼり。新しいビルが建ち新しい「入居者募集」の公示を待ちもしないで決めた「1404号室」という選択は、私の親不孝の証であるか。








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最終更新日  2008.05.19 06:53:44
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