ペット喜怒哀楽

奥三河香嵐渓殺人事件


著者 : 木谷恭介
出版社: 双葉文庫 2006.8.20 第1刷 277ページ ¥619
感想 : 著者ので初めて読んだ、「三河高原鳳来峡殺人事件」と設定がかなり類似。まさか同じ三河だからということはないだろうけれど、報道関連の主人公女性、父親が殺されて、裏にあるのは、この作品は道路公団、あちらはNHKを前提としているわけで・・・まぁ宮之原警部に付き添って謎を解決するのは女性の方がいいだろうから、そして女性が残された側にするには、夫か父が死ぬのが一番手っとり早い? 父親ならば年齢的にそこそこの地位を体験している、したはずだから、執筆当時の社会で問題になっている団体所属にすればいいわけだから、なんて読み方をしてしまうと、つまらないわけで。先日「五木の子守唄」のは10年前の社会を思い出せておもしろかったから、もしかして、あまり最近の作品ではなく、昔のを読む方が面白いのかも。

気になった文章:
* 問題の拳銃を持った男が「俺が殺った」と自主してきて、そいつは滅法口が堅くて。殺ったことは認めても他のことは一切喋らない。同時に大物の政治家から、もういいだろう、この辺りで幕を引いたらどうだと声がかかる。それで、一切が封印されて、闇のなかです」

* いまの世の中、忙しすぎると思いませんか? テレビのニュースひとつとっても、今年のはじめ頃は田中真紀子と鈴木宗男一色だった。それがサッカーのワールドカップに変わったかと思うと、その次は、北朝鮮との外交の問題でしょう。毎日のように拉致家族をテレビが映していました。世界だってそうですよ。あれだけ大騒ぎしたアフガニスタンが霞んで、イラクでしょう。この次はどこなのか、目まぐるしくてしょうがない」

* 「ビール券は贈収賄にならないんですか」
  「ビール券や図書券を贈収賄にしたら、日本の官庁はなくなってしまいますよ」

* 「日本人は法律を犯すことには寛容だが、村の起きてを破ることには手厳しいですからね」

* 「日本中が欺瞞で塗りかためられている。ひところマスコミが『政官財のトライアングル』といって叩きましたが、なんのことはないマスコミもその仲間だった。そのうえ、さらに裏には暴力団がひかえている。政官財プラスマスコミ、プラス暴力団、これが日本という国家権力の正体です。そのうえに、”改革なくして成長なし” ”拉致問題の解決なくして国交正常化なし”と、スローガンだけを唱えている総理大臣がいて、その総理大臣の支持率がたかい・・・」

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