ばかりがもてはやされるような気もするが、この3rdアルバムである「The Yes Album」('71年発表)もイエスを語る上で欠かせない名盤であり、「Fragile」も「Close To The Edge」も、このアルバムの方法論の延長線上にあると言っていい。 '73年のライヴ盤「Yessongs」では、このアルバム(全6曲)から4曲が演奏されている事でも、メンバーのこのアルバムに対する思い入れが伺える。
ピーター・バンクスに代わって参加したスティーヴ・ハウの華麗なギターワークは、イエスに華々しさを添え、黄金期の到来を充分に予感させる。リック・ウェイクマンはまだいないけど、トニー・ケイのキーボードもいい感じ。 10分近くに及ぶ「Yours No Disgrace」や、組曲形式の「Starship Trooper」「I've Seen All Good People」などのスケール感溢れる楽曲が収録され、シンフォニックかつ明るい「イエスサウンド」の確立が成されたのも本作だ。
ポップなリフと有名曲のフレーズが飛び交う「Yours No Disgrace」が個人的なベスト。 組曲「I've Seen All Good People」も静と動のバランスが秀逸な佳曲で、この中の前半曲「Your Move」はシングルカットされ、アメリカでも初のヒット曲となった(っつっても40位だけど…w)。 小品ならではの魅力を放つ「The Clap」「A Venture」も見逃せないし、「Perpetual Change」の熱気ある演奏も忘れられない。