東方見雲録

東方見雲録

2024.05.14
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カテゴリ: 教育



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実は教育界では、遺伝の評判はすこぶる悪いらしい。「子どもは真っ白なキャンバスなのだから、育て方や教え方でいかようにも伸ばすことができる」という考えからすると、「あらゆる能力は遺伝的であり、遺伝によるセットポイントがある」というのは具合が悪いからだ。

 しかし、イギリスやアメリカでは1960年代にすでに、知能(IQ)の遺伝率が高いことが報告されていた。

「たとえばアメリカは、1965年にヘッド・スタート計画という就学前の乳幼児の保育プログラムをスタートさせ、早期教育にお金をかけてきたんですが、ヘッド・スタート計画の成果に関する調査からわかることは、その教育を受けている時はIQが高まるが、しばらくすると元に戻る、ということでした」
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「じゃあ、認知能力でないのは何かというと、その人のパーソナリティー、要するにキャラです。パーソナリティーの5割近くは遺伝で説明できて、神経質な人は訓練して神経質になったわけじゃないし、外向的な人は訓練して外向的になったわけじゃない。それを『非認知能力』とか言われると、ある環境にさらされていくと、みんなが大人が理想とする“いい子”に変わっていくかのように錯覚する。だけど、ヘッド・スタートが示すとおり、子どもにある環境を与えれば、その時はそこに適応するけど、独り立ちさせたら元のセットポイントに戻るんです。形状記憶合金みたいに」
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「・・・なにか課題を抱えていて、それを解決する方法を必要としている人のところへ、その課題に一足先に気づき、解決できる遺伝的な素質を持っていた人が、その知識や技能を運んでいった時に、『あ、まさにそれが欲しかったんです』といって、自然に受け渡しがおこなわれる。そんなことをやる動物は、人間しかいないんです」

「それもまた、出会ってみないとわからないことなので。誰と出会うかによっても違ってくる。そこにも全部『ガチャ』があるわけですが、とりあえず、人やものごととの出会いを組織的につくる場として、人間は学校というものを発明してきた」
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学校をもっとよくしようではなく、すでにすぐれた制度があるのだから、運用する側のマインドを変えていこうというのが、現代の教育に対する安藤さんの提案だ。問題は道具ではなく使い方、ということである。

 大切なのは本人が持つ資質を、自由に試しながら、失敗しながら、探っていくこと。成功しなければならない、個性的であらねばならない、何者かにならなければならない。安藤さんが語る行動遺伝学は、そういう呪縛を解くものでもある。
引用サイト:AERA  こちら





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Last updated  2024.05.14 09:00:12
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