東方見雲録

東方見雲録

2026.02.03
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カテゴリ: まちづくり



イマーシブ・フォート東京は2022年に閉業したテーマパーク「パレットタウン」の跡地に開業した。実業家の森岡毅氏が手掛ける没入体験をウリにした新たなテーマパークという触れ込みもあって、当初は期待の集客施設と目されていたが、見せ場もなく幕を下ろすことになる。

 イマーシブ・フォート東京が奮わなかった理由は多岐に渡り、ひとつに絞ることは難しい。今後、多くの有識者が多角的に分析していくことだろう。

 筆者は20年以上前から、東京の湾岸エリアと呼ばれる一帯を継続的に取材してきた。その経験を踏まえると、イマーシブ・フォート東京が早々に撤退してしまう事態は自然な成り行きと受け止めている。なぜなら同地は、オフィスと住居が近接する商住共存を目指していた街で、テーマパークは求められていなかったからだ。
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本来なら、まちづくりに着手した時点で住民や来街者などに親しみを抱いてもらえるようにするべく愛称を決める必要があった。それも都市博が中止されたことによって開発を急ぐ必要がなくなり、13号地という呼び方は存置される。

 それでもレインボータウンという愛称を制定して来街者の呼び込みを図ったが、残念ながらレインボータウンという呼称は定着していない。現在に至っても、関係者は13号地という呼び方を継続して使用している。

“お台場”という呼称が一般的に普及するのは、1999年に石原慎太郎都知事(当時)が誕生したことがきっかけになっている。石原都知事は同地を “お台場”と呼び、それを機に “お台場”が人口に膾炙していく。
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東京都も都市博の中止を決定してから、13号地の開発機運が盛り下がらないように腐心した。東京都は、お台場の一部エリアを定期借家権によって民間企業へと貸与することで開発を促進。これにより、パレットタウンがオープンしてお台場のにぎわいが創出されていく。



 しかし、2020年に新型コロナウイルスが感染拡大したことを境にお台場は暗転する。コロナ禍を機に来街者が減少し、それと同時に商業施設の撤退が相次ぐ。

 もともと13号地は商住共存というコンセプトを目指した街だった。ゆえに東京都は定期借家契約という期間限定で民間企業を誘致していたわけだが、そうした事情は関係者以外に知らされることはない。来街者や観光客の目には、単に「お台場が衰退した」「お台場から魅力が喪失した」と映るだろう。

 そんなイメージは、2005年頃より銀座や日本橋といった都心回帰の現象が強まり、訪日外国人観光客でにぎわうようになって強調されていく。
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ゆりかもめやりんかい線が開業してから30年という月日で、お台場は東京都の目論見通り商住共存の街へと静かに移行した。すでにお台場は、大規模商業施設をオープンさせて集客を図るような街ではなくなっている。

 それは、ゆりかもめやりんかい線の車内を見れば明らかだろう。車内にはビッグサイトへ商談で向かうビジネスマンやお台場に住んでいると思しき住民たちが目立ち、遊びの来街者は少ない。

 ゆりかもめは2006年に豊洲駅まで延伸開業したが、それもお台場の商住共存を後押しした。豊洲は2010年代からタワマンが急増し、都内を代表するタワマン街になった。それらタワマン民がゆりかもめを通勤の足として日常的に利用するようになった。

 さらに、現在は停滞しているが、ゆりかもめには豊洲駅から勝どき方面へと延伸する計画があり、これもタワマン民が東京駅方面へと通勤するための足と想定されている。

 観光色が薄れたお台場で、いまだ訪日外国人観光客を目にすることもある。しかし、撮影名所の自由の女神像やガンダム像の前にも黒山の人だかりはなく、全盛期のお台場を知る者としては悲哀を感じざるを得ない。
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商業地として停滞するお台場に、テコ入れをする動きがないわけではない。2022年11月、小池百合子都知事はお台場に3つめの鉄道路線を整備すると発表した。



 それは臨海地下鉄とほぼ同じルートで運行されている東京BRTの現況を見ても明らかだ。東京BRTは新橋駅と湾岸エリアを結ぶ高速輸送システムとして整備された。東京BRTの利用は堅調だが、その利用者の大半は地域住民が占めている。バスと鉄道では公共交通の性格は異なるものの、臨海地下鉄も東京BRTと同じように使われることになるだろう。つまり、住民が通勤・通学のために利用するということだ。
引用サイト: こちら

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Last updated  2026.02.03 06:00:07
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