東方見雲録

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2026.05.03
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カテゴリ: 郷土
【伯耆国たたら顕彰会】 
埋もれた歴史をひもとく 魅力発信へ出前操業など活動 

米子市児童文化センターで行われた出前たたら操業
 奥日野でのたたら顕彰の歴史は浅く、地元有志でつくる「伯耆国たたら顕彰会」(佐々木幸人会長)が設立されたのは2010年6月のこと。かつての一大鉄産地でありながら、戦後は「たたらの話題は皆無」と言われるほど、日の当たらない埋もれた歴史となっていたという。

 約20年前から地元団体による保全活動や研究会による調査が行われ、08年から2年間は、日野・日南両町の商工会合同で中小企業庁「全国展開支援事業」としてたたらの歴史研修に着手。09年には日野町で「たたら研究会全国大会」が開かれるなど、顕彰の機運がようやく高まってきた。

 顕彰会設立後は「中国山地たたらサミットin奥日野」(12年、日南町)や「日本の鉄文化・たたらの歴史フォーラム」(18年、米子市)に参加して事例発表を行った。鉄鉱石を原料とする西洋式製鉄が主流となり、たたら製鉄が終息を迎えた1921(大正10)年頃から1世紀余りを経て、会員一同が再び地元の輝かしい歴史に光を当ようと熱心に活動している。

一連の工程披露
 会の活動の中でも人気を博しているのが「ミニたたら操業」だ。ペール缶で炉を作り、実際の操業の仕組みと同様、炉内に生じた一酸化炭素ガスで砂鉄(酸化鉄)を還元し、鋼を含んだ鉄塊「ケラ」を取り出すまでの一連の工程を数時間かけて披露している。


①砂鉄投入 炉の最上部から砂鉄を投入する



③ケラ冷却 最下部にできたケラを炉ごと水に沈めて一気に冷却する

④ケラ計量 炉から取り出したばかりのケラを計量する
 地元以外から依頼を受ける出前たたら操業も好評。今年3月は、家族連れでにぎわう米子市児童文化センター(同市西町)を会場に実施した。見学者が炉に砂鉄を投入できる体験もあり、子どもから大人まで大勢が参加し「鉄ができる仕組みが分かった」「貴重な体験ができた」と盛り上がった。

 「刀剣女子」に象徴される若い世代の刀ブームが高揚する中、より多くの人々に素材である玉鋼を生み出すたたら製鉄にも興味を持ってもらおうと、さまざまな切り口から魅力発信に努めている。

記者の手帳
 【感慨深い繁栄の形跡】
 たたら操業を見学したことはあったが、今回、工程の一部を体験する機会に恵まれ、顕彰会の皆さんの分かりやすい解説を聞き、たちまち興味が湧いた。
 かつての基幹産業で栄えた町のたたずまいや製鉄技術自体も魅力的だったが、地形まで変えた壮大さに引かれた。かんな流しで流された土砂は試算で2億5千万立方メートルともいわれる。普段見慣れている風景や今立っている場所も奥日野で行われていた、たたら製鉄の影響であったと考えると何やら感慨深い。今後も新たな歴史文化の発掘や顕彰会の活動に注目したい。

▷この企画は、記事=佐々木誠▷写真=佐々木誠、高坂綾柰が担当しました
引用サイト: こちら

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Last updated  2026.05.03 08:15:59
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