東方見雲録

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2026.07.05
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カテゴリ: 政経
「クールジャパン機構」の累積赤字が540億円に上ることが分かりました。赤沢亮正経産大臣は「経済産業省として重く受け止める」と話していて、今後、大赤字の要因や責任の所在について議論していく方針です。
引用サイト:テレ朝  ​ こちら ​


「クールジャパン」という言葉そのものは日本政府が作ったものではありません。きっかけは2002年、米国の外交誌『Foreign Policy』に掲載されたジャーナリスト、ダグラス・マッグレイ氏の論文「Japan's Gross National Cool」でした。

 同氏は、宮崎駿監督や北野武監督らの映画作品、アジアで抜群の人気を誇る安室奈美恵らのアーティスト、国際市場で人気のビデオゲームやアニメ、マンガなどを高く評価。「グローバルな文化力によって、日本は経済大国から文化大国に進化した」「日本には可能性に満ちたソフトパワーが大量に蓄えられている」と記しました。

 論文はその後、「ナショナル・クールという新たな国力」と題する翻訳記事となって総合月刊誌に掲載され、「クールジャパン」は日本国内でも知られる言葉になったのです。

 当時の小泉純一郎政権は「知的財産立国」を掲げ、コンテンツ産業を成長分野として育成する方針を打ち出していました。その流れは安倍政権で本格的な成長戦略へと発展。経済産業省は2012年、「クール・ジャパン官民有識者会議」で、日本文化を海外市場へ展開するうえでの最大課題は「中小企業へのリスクマネー供給不足」だと指摘しました。優れた商品やサービスがあっても、海外進出には時間も資金もかかるため、民間の銀行だけでは十分な資金が集まらないという問題意識です。

 これを受けて政府は、新たな官民ファンドを設立し、リスクマネーを供給する方針を打ち出しました。そして2013年11月、クールジャパン機構は発足。公的資金を活用して民間投資を促す仕組みが出来上がったのです。

 機構の発足後、歴代政権は日本のコンテンツを世界に発信し、新たな市場を開拓する方針を貫いてきました。機構はその重要な一翼であり、「我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品又は役務の海外における需要の開拓を行う事業活動」(クールジャパン法第1条)に資金供給を続けていきます。
こちら


関連サイト:政府のエンタメ戦略には「大きな政府が失敗する理由」が満載
日本のアニメなどのコンテンツ産業を海外に広げる目的で設立された官民ファンド「クールジャパン機構」が24日、2025年度の決算で累積赤字が540億円に上ったと公表しました。

《詳細》

クールジャパン機構(正式名称「海外需要開拓支援機構」)は、安倍政権の2013年に設立され、「官の資金を呼び水に企業の投資を促し、経済成長につなげる」という成長戦略の柱の一つとして位置づけられてきました。25年度末時点で、出資金1513億円のうち1406億円を政府が出しており、これまでに83件、総額2040億円の投資を決めています。

官民ファンドは投資に対するリターンの回収が必要ですが、同機構は設立以降、赤字を積み増し続けていることが問題視されていました。そしてこのほど公表された25年度の収支では、売上高が前年度比88%減の44億円、純損益が156億円の赤字を計上。機構はこれまで、累計損益の目標赤字額を426億円に収めるとしていましたが、今回、目標達成に失敗したことを受け、経済産業省は統廃合に向けた検討を本格化するといいます。

経産省は、25年度に赤字を膨らませた要因の一つとして、バイオ繊維開発のスタートアップ企業「スパイバー」の失敗を挙げています。140億円もの出資を受けた同企業は、販売不振などに陥り、3月に私的整理に入りました。

クールジャパン機構の累積赤字については、さまざまな原因が指摘されています。その一つが、「領域を広げすぎた」ことです。

設立当初は、アニメやマンガといったエンタメに注力していましたが、同分野にはすでに多くの民間投資が集まっていたため、機構は「ライフスタイル」や「食」といった分野にも投資を拡大。25年11月時点の投資状況は、エンタメなど「メディア・コンテンツ」(27%)よりも「ライフスタイル」(36%)の方が大きくなっていました。前出のスパイバーも繊維企業であり、エンタメとは関係ない産業です。

青山学院大の八田進二名誉教授は、機構の失敗について、「『イケイケどんどん』で安易な投資を繰り返し、損失を膨らませていったのではないか。投資ファンドにはプロの『目利き』が絶対的に必要だ」と指摘しています(2026年6月2日付東京新聞)。

引用サイト: こちら

関連サイト:クールジャパン機構 (株式会社海外需要開拓支援機構) こちら

関連サイト:失敗例と成功例 こちら

スパイバーは、慶應義塾大学先端生命科学研究所の研究成果を活用し、クモ糸由来の人工構造タンパク質素材「Brewed Protein」の実用化を進めてきた山形県鶴岡市のバイオベンチャーです。クールジャパン機構は2018年の30億円出資を皮切りに、2021年の大規模調達でも参加し、累計出資額は140億円と機構最大の投資案件となっています。

しかし、米国工場の稼働前に280億円を超える減損を計上するなど経営が悪化し、2025年に債務超過で私的整理に移行しました。これにより2025年度決算でのさらなる損失拡大が見込まれ、機構の累積赤字拡大に直接影響する案件となっています。

成功例
・一風堂(力の源HD):7億円出資→2019年Exit時に約12億円の売却益
・Tokyo Otaku Mode:15億円出資でポップカルチャーEC事業を支援


関連サイト:赤字540億円…クールジャパン機構はなぜ失敗?  ABEMA TIMES   こちら
翻訳人材の育成という観点から、杉江氏は「一番お金を出してほしいのは翻訳だ。日英・日仏の翻訳事業者が国内に少ないため、翻訳の仕事は海外在住の専門家が取ることになり、本来国内でできるはずの仕事と雇用が流出している。翻訳の専門家を国内でもっと育成することにお金を投じる必要がある」と提言する。中山氏も「漫画は50万作品ほどあるが英訳されているのはまだ1万作程度、約2%しかない。内製機能で自ら翻訳していく仕組みが必要だ」と同意した。

ただ、支援の方向性そのものに対して、モデルの益若つばさは、「専門家を集めた結果、大阪万博のようにハイスペックな最新技術や美しい建築物のみが前面に出てくる。でも私のイメージするクールジャパンはもっとごちゃごちゃしたカルチャー、渋谷や新宿・原宿の生々しい下町の感じにある良さだ。京都の美しいものとお抹茶、ゲームとアニメぐらいで差が開きすぎていて、意外と本当のカルチャーが伝わっていない感じを肌で感じた」との考えを示した。

・・・・追記 0908
「540億円」溶かしても誰も責任を取らない…「懲りない経産省」と「反省できない高市首相」が“また始める”クールジャパンへの投資 古賀茂明 こちら
そもそも、高市早苗政権は官民投資を成長戦略の看板として掲げている。17分野、62の製品・技術に40年度までに官民で370兆円超を投じる計画だが、クールジャパンの中核「コンテンツ」への投資は34兆円と決まっている。この分野での政府支出は今後5年間、年1000億円の規模になるという。

「検証はどうなったの?」と誰もが聞きたくなるところだが、レポートには、それはそれとして、とりあえず先に進むという趣旨のことが書いてある。検証が終わったら、「必要に応じて」今回取りまとめた産業戦略2026を改訂する際に反映していくと書いてある。

 こういう書き方をするときは、彼らの本音は、「必要はないはずなので、検証結果は無視するつもりだ」という理解をした方が良い。それが、官僚のやり方だ。

■「学び続ける政府」の居直り
 この計画書の最後には、こんな言葉が書いてある。

「政策の効果検証・要因分析に終わりはない。経済産業省としては、不断に政策の効果検証を継続し、随時、政策の改善に反映する『学び続ける政府』となることを目指す」

「日本版DOGE」設置も成果は3件…税優遇見直し、成果乏しく 確保できる財源は年10万円程度… こちら

関連日記:2026.07.08の日記  国会から「警告」  賛成235の圧倒的多数で可決   こちら





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Last updated  2026.09.08 08:44:45
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