東方見雲録

東方見雲録

2026.09.18
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カテゴリ: 政経



英紙テレグラフはこれについて、「米国のドナルド・トランプ政権の圧力により『象(インド)』と『龍(中国)』が再び踊り始めた」と評価した。これまで国境問題を巡って対立してきた両国の首脳が、互いを「競争相手」ではなく「パートナー」と呼び始めた。

習主席とモディ首相の会談は終始和やかな雰囲気に包まれた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は「トランプ政権の保護貿易政策とインドに対する貿易圧力が米国とインドの関係を揺るがした」と指摘し、「これにより、長年の競争相手だった中国とインドが接近した」と分析した。
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3首脳の表情が特に明るかった背景には、各国が今回の首脳会議を通じ、米国中心の国際秩序に対抗して多極的な国際秩序を強化し、経済・金融分野で西側への依存度を下げる方向で認識を共有したことがある。

中国については、ブリックスを自国の国際的な影響力を拡大するためのプラットフォームとして活用する基盤を整えたとの評価が出ている。習主席は今回の会議でAI協力の拡大を提案し、中国製AIモデルを発展途上国に普及させる構想を打ち出したほか、グローバルサウス諸国との技術協力を拡大する足がかりも築いた。

ロシアは、ウクライナ戦争の長期化に伴う西側の制裁を乗り越え、依然として主要なパートナー国と重要な関係を維持していることを示した。FTは「プーチン大統領のブリックス首脳会議への出席は、ロシアが西側によって孤立していないことを示す舞台となった」と評価した。

インドにとっても、国境問題を巡って緊張関係が続いてきた中国との関係を安定させる機会となった。AP通信は「習主席とモディ首相の首脳会談は、2020年の国境衝突以降悪化した両国関係を改善するための慎重な取り組みだった」と分析した。

一方、ブリックス加盟国のイランは、米国・イスラエルとの戦争に対する加盟国の懸念と、自国の核施設への攻撃に対する批判を共同声明に反映させた。これにより、戦争が続く中で外交的な支持基盤を確認する成果を上げた。

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習氏の動きでもう1つ注目すべきは、9月12日から9月13日、インドの首都ニューデリーで開催されたBRICS首脳会議である。

ここでも共同宣言で、一方的な関税引き上げや長引く中東での緊張について強い懸念が示されている。その手法は、先に述べたSCO首脳会議と同じだ。

そのくせ、習氏は、インドのモディ首相(75)との直接会談では、自らが主導してきた世界人工知能(AI)協力機構へのインドの参加を呼びかけ、「冷戦思考の考え方」や「内政干渉」には強く反対する立場を表明し、中印の関係改善と協力関係を推進させることで合意を引き出している。

これらは明らかにアメリカと日本を牽制したものだ。

AIをめぐっては、トランプ政権が9月8日、「中国の新興AI企業、ディープシークやIT大手のアリババなどに、アメリカの先端技術を不正利用された」との声明を発表したばかりだ。

習氏が訪米する際には中国の主な企業の代表団も同行するが、首脳間で経済交流に話が及べば及ぶほど、米中がしのぎを削ってきたAI競争が火種となる可能性が高い。それを見越してインドと手を握ったと考えるのが筋だろう。

「冷戦思考の考え方」の部分は日本を意識したもので、先にロシアのプーチン大統領とともに、高市氏の安保政策を「新型軍国主義」と呼んで非難したのに続き、今度は日本とも近い関係にあるインドを味方に引き入れたい策略の表れと言える。

その習氏は、近く訪米しトランプ氏との首脳会談に臨むものの、その直前に始まる国連総会には出席しない。

各国の首脳が登場する一般討論演説で、過去に中国が送りこんできたのは、2024年が王毅外相、去年が李強首相で、今年も習氏が登壇しないのは特別なことではない。しかし今回の欠席は、仮に出席し演説すれば、イランを擁護しアメリカを非難せざるを得なくなるとの判断が働いたに相違ない。「したたかにもほどがある」と言わざるを得ない。

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Last updated  2026.09.18 10:03:02
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