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2010.01.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類




 産業開発や違法伐採で熱帯雨林の破壊が進むインドネシア・スマトラ島で、生息地を追われたスマトラトラが人を襲う事件が続出している。



 インドネシア政府は、絶滅が懸念されるトラの保護と住民の危険防止のために、トラを広大な原生林へ「移住」させるユニークな計画を2010年から開始し、対策を急ぐ構えだ。



 スマトラ島中部リアウ州のインドラギリ・ヒリル県テルク・カブン村に住む漁業ヤスミさん(28)と弟のスパルニさん(26)が森林の作業場で睡眠中、トラに襲われたのは09年2月。トラはヤスミさんの右足の小指を食いちぎった上、スパルニさんを引きずり倒し頭に30針を縫う大けがを負わせた。「今度、襲われたらこちらから仕留めるしかない」。ヤスミさんは約10か月前の恐怖を昨日のことのように語る。



 スマトラ島では09年、少なくとも9人がトラに襲われ死亡した。深い熱帯雨林に住むはずのトラが人と接触する事故が増えたのは、植林や違法な木材伐採で、元々、面積の8割を占めたといわれる原生林が「約3割にまで減少した」(林業省)ためだ。



 環境保全団体「世界自然保護基金(WWF)」でトラの保護を担当するアベン氏は、「生息地が縮小、分断されてイノシシなどの餌が減少したトラは森林近くの村でヤギなどの家畜を捕らえるようになった」と説明する。集落近くにトラの通り道が確認できるため、皮や漢方原料を求めてトラを追う密猟者がわなを仕掛けるのも容易になったという。



 このため、1970年代には約1000頭だった生息数は、400頭以下に激減した。国際自然保護連合(IUCN)は、「絶滅危惧(きぐ)種」の中でも、「ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高い」1A類に位置づけている。



 林業省の「移住計画」はこうした危機を受け、民家周辺や確認頭数が少ない森林にいるトラを捕獲し、100頭以上の生息に適した比較的広大な森林5か所に放とうというものだ。同省トラ保護指導教官ワルデマル氏は、「一つの森林内の個体数を増やすことで自然繁殖が容易になるほか、餌を求めて村落に出没することも減らせる」と話す。



 ただ、初めての計画だけに、実効性は未知数だ。WWFのアベン氏は、「トラ同士のなわばり争いの防止や新たな環境への適応が可能かどうか、十分に精査する必要がある」と指摘している。(インドネシア・スマトラ島リアウ州で 林英彰)

※この記事の著作権は、ヤフー株式会社または読売新聞に帰属します。







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最終更新日  2010.01.03 18:07:08
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