いよいよ5月28日、アップルの「iPad」が国内発売となる。一足先に「iPad Wi-Fi + 3Gモデル」(以下3Gモデル)を試用できたので、その使用感をレポートする。
その前に そもそもiPadとはどんなものだろう。iPhoneの画面を大きくしたもの、タブレット端末、電子書籍端末などいろいろな言われ方がされてい る。その本質は、私たちが毎日するWebの閲覧やメールの読み書き、デジカメ写真の閲覧などをより手軽にするためのものだ。そのために操作はいたってシン プルで直感的な作りになっている。iPhoneを使ったことのないユーザーであっても、使い方を少し教えるだけで難なく使いこなせてしまう。
9.7 型のディスプレイはLEDバックライトとIPSテクノロジーにより、非常に明るく、178度という視野角も広い。写真や動画を見るのにはもってこ いだ。フォトスタンドとして使える機能もあり、持ち歩かないときはドックに接続して、写真を楽しむのがお薦めだ。加速度センサーにより、縦横の表示の切り 替えもスムーズで、横長の写真と縦長の写真を素早く切り替えて全画面で見られる。
電子書籍を販売する「iBooks Store」は、日本で開始時期が不明だが、「iBooks」アプリは最初から用意されいて、無料で読めるコンテンツが並んでいる。iBooks以外でも サードパーティー製のiPad用の電子書籍を販売するサイトも立ち上がりつつある。電子書籍市場の動向にも注目だ。
iPadの購入 を迷っている人にとって、なんといっても気になるポイントは「3Gが必要かどうか」だろう。今年1月のiPadの発表会で、米アップルの スティーブ・ジョブズCEOは、ソファーに腰掛け、くつろいだ様子でプレゼンテーションを行った。これは明らかに、リビングルームで使うことを想定したデ モンストレーションだ。手軽にメールやインターネットを楽しむ端末として、主に家庭内で使うなら、3Gはいらない。実物を手にするまで、筆者はそう思って いた。
しかし実際に手に持ったiPadは、なんとも持ち歩きたくなるものだった。B5用紙ほどのサイズに、小冊子程度の薄さ。iPadは ビジネスバッグの隙間 にするりと入ってしまう。iPhone同様、ボタン一発で瞬時に起動するから、ノートパソコンを取り出すにはおっくうな場面でも難なく扱える。物理的なサ イズだけでない、このトータルな軽快さがiPadを魅力的なモバイルマシンにしている。
iPadモバイルマシンとして見た場合、この iPadの軽快さを最大限に享受するなら、やはり3Gモデルが最適だろう。iPhoneと同じように「ネッ トへの接続」を意識する必要がなく、電源を入れればすぐにインターネットにアクセスできる。また常にインターネットにつながっているから、メールの着信通 知やMobileMeのカレンダー、アドレス帳同期といったプッシュ機能もフルに活用できる。ただしこのあたりの機能は、iPhoneユーザーであれば iPhoneに任せてしまうという手もある。
一方で、iPadのWi-Fiモデルと3Gモデルの間には、iPhoneと iPod touchほどの大きな差はない。というのもiPadは、iPhoneのように電車内や路上で取り出して使うようなデバイスではないからだ。小さいとは 言ってもそれなりのサイズなので、喫茶店などでじっくり腰を落ち着けて使うケースが多い。使うまでに一手間が必要だが、最近各社から続々登場している Wi-Fiルーターと組み合わせても不満なく使える。ノートパソコンとiPadの両方を使う方は、月額料金がかからないWi-Fiモデルを選ぶのも手だ。 ただしWi-Fiルーターのバッテリー駆動時間は、iPadよりも短い場合が多いので気をつけよう。
試用期間中、都内を中心にさまざまな場所で使用してみたが、Webを閲覧する限り、ソフトバンクの3G回線は十分満足できる速度だ。新開発の 「アップル A4プロセッサ」の速度が効いているようで、Webブラウジングの体感速度はiPhoneよりも一段上だ。大画面でサクサクWebページを見る感覚は、快 適そのものだ。
3GモデルとWi-Fiモデルには、ネット接続以 外の違いもある。その筆頭がGPS機能だ。3GモデルはiPhone同様GPSを搭載しており、かなり 高い精度で自分の現在位置を特定できる。移動してもほぼリアルタイムで追従してくれるので、カーナビナビ的な使い方も可能だ。一方のWi-Fiモデルは無 線LANの電波から大ざっぱな現在地が分かる程度となっている。
バッテリーの持ちも多少違う。3Gモデルは携帯通信をする関係で、駆動時 間が最長9時間とWi-Fiモデルより1時間短くなっている。それでも一日使う には十分余裕があるが。重量も、3GモデルはWi-Fiモデルより50gほど重いが、こちらは両手に持って比べても分からない程度の違いだった。
いずれのモデルを選んでも、iPadはモバイルマシンとしてかなり魅力的。タッチパネルのキーボードは、原稿の執筆など本格的な入力には向かな い。10 本の指を使ってのタッチタイピングは難しいという印象だ。だが両手人差し指と中指あたりを使ってぽちぽちと入力すれば、それなりのスピードで入力できるの で、メールの返信程度ならストレスなくこなせる。Webでの情報収集とメールの処理あたりまでならノートパソコンは不要だろう。
また、 iPadはドキュメントビューワーとして秀逸。iPadでPDFの書類を見ながら、手書きでアイデアの構想を練るといった作業は非常に快適にでき た。これまで毎日ノートパソコンを持ち歩く生活だったが、これからはiPadひとつを持って出かけるケースが増えそうだ。
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