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October 13, 2014
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カテゴリ: 教授の映画談義
 私が住むここ名古屋も、いよいよ台風19号の暴風域。

 そろそろ用水路の具合でも見てこようかな。(ダメ~! それやっちゃダメ~!)


 まあ、それはともかくとして、この3連休、録りためていた映画をあれこれ見ていました。

 例えば『エリジウム』とか。これマット・デイモン&ジョディ・フォスター主演と、それなりのメンツを揃えたSF、しかも監督は『第9地区』の人だというので、少し期待して見たのですが・・・。

 結果から言うと、「13点」かな。100点満点の。

 ネタバレでこの映画の梗概を言いますと、22世紀半ばの地球では、環境悪化が進み、金持ち連中は、「エリジウム」なる宇宙に浮かぶ巨大な人工植民地みたいなところに避難していて、庶民は劣悪な環境の中、地球上で労働させられている、みたいな状況になっているんですな。で、孤児として育ったマット・デイモンも、子供の時からいつか金を貯めてエリジウムに住むための市民権を取り、移住したいと思い、ギャングみたいなこともするのですが、警察の御厄介になった後は、労働者として半ば夢を諦めながら暮らしている。

 ところが、労働中の事故で多量の放射能を浴び、余命5日間。そこで彼はギャング時代の知り合いであるスパイダーなる人物に頼み、エリジウムへの密航を企てるわけ。何せエリジウムには「どんな病気でも1分くらで直しちゃうカプセル」ってのがあって、それに入れば余命5日もチャラにできるので。

 で、スパイダーは、密航の見返りとして、エリジウムに住む連中の中でも特に金持ちを狙い、そいつの脳をハッキングして土産に持ち帰ることを命ずるわけ。で、マット・デイモンは、自分をこんな目にあわせた自分の会社の社長の脳をハッキングすることとし、丁度地球を訪れていたその社長を襲います。

 ところが、エリジウムではジョディ・フォスターがクーデターを計画中で、そのクーデターの鍵を握るのが、その社長さんだったんですな。そんなこととはつゆ知らず、マット・デイモンはその社長の脳ハッキングに成功! しかし、その最中、社長は死んでしまいます。



 さて、ならず者にまで狙われることになったマットは、エリジウムで病気を治せるのか? そしてジョディ・フォスターのクーデターの成行きは?

 みたいな話。

 さて、ここまで話した段階でも、突っ込みどころ満載でしょ。

 マット・デイモンが放射能を浴びるいきさつもすごく変で、彼のやっていた作業って何? ロボットみたいなのを作っているみたいでしたけど、未完成のロボットに放射能浴びせてどうするの?

 で、放射能浴びたマットが、エリジウムで自分を治療しようとするわけですけど、どんな病気でも1分もしないうちに直せるカプセルって、何? そんな都合のいいものが、エリジウムには殆んどどのご家庭にもあるのに、それをエリジウムの市民にしか使わせないって、どういうこと?

 ジョディ・フォスターも、クーデターを狙うにしては、脇が甘すぎ。それに、そもそもジョディが狙っていたクーデターって何? 最後にマットの頭にあるプログラムを実行したら、地球上の全人類がエリジウムと住民と同じ市民権が得られることになるのですけど、ジョディがやりたかったのはそれ? そんなことして、ジョディは何か得するの?

 それに、鉄壁の防御を誇るはずのエリジウムなのに、どうしてマットやならず者がどんどん入りこめるんだ! ドロイド兵は何をしている?

 そして殺された社長さんは、自分の頭にクーデターのためのプログラムをインプットしながら、どうしてそれを取り出すと死ぬ、というセッティングにしたんだ? 

 その他、ストーリーが破綻しているところばかりで、SFとして成立してないよ、これ。

 というわけで、もう見るも無残な映画だったのでした。私に言わせれば、これは見る価値なし。ジョディ・フォスターも、こんな映画に出るようになるなんて、落ちぶれたもんだ。


 そして、今日見たのは、『コズモポリス』という映画。これ、アメリカの作家ドン・デリロの小説を元にした映画ですな。



 その一日の中で、彼はリムジンの中で色々な人に会います。彼は最近、同じく超大金持ちの娘と結婚したのですが、新たに彼の妻となったこの女と、町のあちこちで会って、飯を食ったりする。

 あるいは彼がリスペクトしているラップ・ミュージシャンの葬列に出くわしたり。

 あるいは、愛人に会ったり。

 あるいは、彼のメンタル面のコーチに会ったり。

 あるいは、彼の仕事をサポートしているヲタクっぽいコンピュータ・プログラマーみたいなのに会ったり。



 といっても、この社長さんはもう完全に行っちゃってて、自分の身を守るとか、そういう常識的なレベルの頭の回り方はしないので、暗殺者の家にわざわざ自分から押しかけて行ってしまったりするんですけどね。

 さて暗殺者の家に行った社長さんの運命やいかに?

 みたいな映画。


 さて、この映画への点数はと言いますと、うーん、「57点」かな。残念、不合格でした。

 原作がドン・デリロなので、私には向かない映画だし、お金儲けすぎて頭がどうかしちゃっている社長の日常とか、感性なんかは、もともと訳が分らないわけなんですけど、それでも、何百億円レベルのお金をころころ転がしている人たちのぶっとんだ人生の不条理さとして見れば、説得力が皆無、というわけではない。そういうものの描き方としては、平凡でつまらないとは思いますけどね。だってそういうものだったら、もう『レス・ザン・ゼロ』で30年前にすでに描かれたわけでしょ。

 だけど、『エリジウム』のダメダメさと比べると、まだこっちの映画の方が見られますね。57点だから、不合格映画ではありますが。


 それにしても『エリジウム』にしても、『コズモポリス』にしても、よく考えてみれば、どちらも「金持対貧乏人」という映画なんですよね。しかも、どちらも図式的な捉え方で、金持の側にも貧乏人側にも共感できないという。

 最近、この手の「金持対貧乏人」映画って、多いよね! それは、今日の地球的状況を反映しているのかも知れないけれども、どれもつまらないので飽きました。


 実はもう一つ、この週末に、1971年のイギリス映画『小さな恋のメロディ』も見たのですが、これは実に面白い映画で、ある意味、これだって「金持対貧乏人映画」ではあるのですが、『エリジウム』や『コズモポリス』みたいな平板な映画とは全然違う。

 そう考えると、昔の映画は面白かったなと。

 1970年代一つとったって、『ゴッドファーザー』も『ロッキー』も『スター・ウォーズ』も『キャリー』も『ディア・ハンター』も、『イージーライダー』も『燃えよドラゴン』も『マッシュ』も『カッコーの巣の上で』も『ジョーズ』も『タクシー・ドライバー』も、『クレイマー、クレイマー』も『エイリアン』も『アメリカン・グラフィティ』も、『未知との遭遇』も『ペーパー・ムーン』も、みーんな70年代ですからね。

 昔は、毎月のように必見の問題作があったのになあ・・・。





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Last updated  October 13, 2014 06:42:15 PM
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ゆりんいたりあ @ Re:スペイン優勝、そして早くもW杯ロス(07/20) 釈迦楽さん、 ご無沙汰しております。 お…
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