『福島の歴史物語」。ただいま、「鉄道のものがたり」を連載しています。

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2014.07.11
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 私が三春馬車鉄道に惹かれた時期は、昭和五四年秋の頃と割合はっきりしています。三春の郷土史などに掲載されていた写真などは時折見ていましたが、本屋の立ち読みで「面白写異術」という本の中にニューヨークの馬車鉄道の写真を見付けたのがそのキッカケでした。その写真の説明に、撮影の時期が記載されており、それが三春の馬車鉄道と同じ頃に走っていたということを知ったのが発端でした。

 まず三春公民館の資料室であさりましたが結局今までに見ていた写真のコピーしかなく、東京神田の交通博物館の資料室に行って相談してみました。そしてそこにも馬車鉄道の資料がまったくないことに驚かされました。それから郡山市の図書館をはじめ、福島県立図書館、東白川郡棚倉町図書館等を遍歴したが、これまた全くといってもいい程、何の資料もなかったのです。

 私は、最初からこういう本を書こうと思ったわけではありません。三春馬車鉄道の写真が無いのなら、知っている人が何人かいる今の内に模型を作っておきたいというような気持になりました。そして、「馬車鉄道、馬車鉄道」と言って歩いている内に三人ほどのおばあちゃんを見付け、更にいろいろ助言をしてくれる方々が現れました。それらの方々が、三春町の広報誌をはじめ地元の新聞、そしてTV局などにも働きかけてくれたのです。そしてその新聞の記事が、私を大変な方と引き合わせてくれました。当時仙台の陸運局長をしていた和久田康雄氏です。私も始めての方に会うために、仙台の合同庁舎の陸運局長室に押しかけたのですから、いかに夢中だったかということでしょう。

 和久田氏の助言は、「復元への協力はやぶさかではないが、それには大きな意味はない。むしろ地方史の一部分として掘り起こすべきだ」ということでした。言われた通りに聞き、黙って引き下がって来ましたが、復元に心を奪われていた私は、内心面白くありませんでした。とにかく氏の資料をはじめとして、復元を了えたのですが、臆面もなく、その間に集まった資料や文献から、本を出す気になってしまいました。それらを考えてみると結局私は、和久田氏の掌(たなごころ)から逃げ出すことが出来なかったということでしょう。

 ところで本に書くということは、和久田氏の紹介で「鉄道ピクトリアル・昭和五八年一月号」に「三春馬車鉄道の思い出話」として、また郡山市教育委員会昭和六十年発行の「研究紀要・第三号」に「馬車の系譜とl二春馬車鉄道」として掲載されたものがありますが、本格的なものは勿論これが始めてです。ましてや「一はじめに」に大上段に振りかぶって書いたように、「日本資本主義史の中の田村地方の特に蚕糸業の発達と三春馬車鉄道との関連」つけが全くうまくいかず、ただ車輪の発達と蚕糸業の様子と三春馬車鉄道の三つを、単に羅列したに過ぎなくなってしまったような気がします。考えてみればそれぞれの分野に沢山の専門家が居られる訳ですから、結果的にいくら私が気張ろうとも、「ハサミと糊」 のそしりはまぬがれないと思います。それにしても特に気を使ったのは、戊辰戦争のくだりです。書いてはみたものの地元の事柄でもあり、これ丈私見を書き加えれば相当の批判も覚悟せねばなるまいということから、高橋哲夫先生の門を叩きました。その挙げ句にこの本の序文を先生にお願い出来たのですから私にとって、とても光栄なことと感謝しております。

 これらの事情からいざ本を出そうと心に決めた時、最初にその気がなかったので参考文献をきちんと整理しておかず、どの本から採ったか分からなくなってしまった所が少なからず出てしまいました。著者の方々には大変申し訳ありませんが、とりあえず不明ということで出させて頂きました。今後とも調べさせて頂きます。とにかく沢山の方々のご協力を頂き、またご協力を強制した部分もなきにしもあらずではありましたが、今この本が出来上がったことについては、感謝以外のなにものでもありません。次にお名前を列記し、お礼とさせて頂きます。

 なお昭和五六年、いろいろお世話になった村田イネさんが亡くなりました。ご焼香にお伺いした時にご家族の方より、「捨五郎さんと馬車鉄道で郡山サ行って……」という話をしていたと教えられました。私の古くさい名前と実物大の模型に乗って頂いた時のこととが、意識の混濁の中で結びついてしまったのでしょう。私もその話をお聞きしながら、亡くなった方の何がしかの楽しい思い出につながったことを知り、心から御冥福をお祈り致しました。

 この他にもこの本の出来上がる前、既に物故された方々へのお礼の気持ちとして、次の駄作を載せさせて頂きます。

それを知る
  媼(おうな)らは皆
       去り逝きぬ
 馬車鉄道の
     稿を了えしに

    お世話になった方々 (敬称略)

利用された方々・年令は昭和54年の時
 多田テル(92歳) 村田イネ(89歳) 勝間キク(89歳)
 吉田イネ(83歳) 山崎ハツ 斎藤正見 橋本勇治

資料関係その他
 高橋哲夫(郡山女子大学) 田中正能(郡山女子大学)
 西沢倍(東北歯科大学) 伴野亘(田村高校) 藤村瞬一(津田塾大)
 古河芳一(富久山歴史研究会長) 前田利光(中央大)
 無着成恭(明星学園) 和久田康雄(仙台陸運局長)
 三春公民館 三春歴史民俗資料館 郡山図書館 福島県立図書館 
 東京交通博物館相談室 大阪交通科学館 小岩井農場 福島民報社
 福島民友新聞社 函館市交通局 国鉄郡山客貨車区 協三工業
 福島交通 NHK郡山放送局 福島中央TV

復元関係
 大高善兵衛(ヨークベニマル社長) 渡辺隆弘(郡山市会議員)
 田中和史(山陽スコット仙台営業所々長) 松田工務店
 三木写真渡辺武設計事務所
                        (五十音順)





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最終更新日  2014.07.11 09:59:00
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