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2015.08.23
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カテゴリ: 映画を観たよ
〈ルパン三世〉の作品の中でもっとも異質と言われる作品を観た。

○ストーリー
緑のジャケット,赤のジャケット,様々な姿で世界中で犯罪を繰り返すルパン三世。彼らはルパンに憧れる偽者で,とうとうコンビニで万引きをして捕まるルパンまで現れる始末だった。プライベートジェット機の墜落事故から少年を救ったルパンの1人は,これが大事件につながることを知る。少年は民間軍事サービス会社〈ナイトホークス〉の社長代行であり,この会社は日本政府と秘密兵器〈アイスキューブ〉を開発していた。これを狙う緑のジャケットのルパンの前に,赤のジャケットを着た本物のルパンが立ち塞がる。銭形,不二子,五エ門,次元たちは,どちらの味方となるのか?世界をゆるがす物語の決着は?

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〈ルパン三世〉はいまだに定期的にスペシャルドラマが制作され,実写映画も有名俳優を使って製作されるという人気のシリーズだ。ここまで何回も映像化をされていると,相互にズレや矛盾が出てくるものだが,これまではそれらは時代ごとの解釈の差,パラレルワールドなどとして,無視するのが大人の対応だった。

それなのにこの作品では,それぞれの作品やシリーズのルパンは別人で,ズレや矛盾は偽者だったからだ,という解釈をしている。ファンの同人誌ならともかく,本家でそれをやってしまったのか?とびっくりする内容だった。

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人気キャラクターの長期シリーズ化によって,矛盾が生じてしまうのはマンガも複数の脚本家とアーティストで描かれていて,何十年も連載が続くアメコミなどではよくあることだ。アメコミでは一定周期で作品のリセットが行われていて,時代に合わせた内容でシリーズが最初からまた始まる,というテクニックを使っている。

確かに〈ゴジラ〉〈ウルトラマン〉〈仮面ライダー〉〈ガンダム〉と言った人気コンテンツも,途中からリセットされたり,別世界の物語として語られたりとして,延命を達成している。〈ルパン三世〉が1人のピカレスクヒーローとして40年間活躍しているのは,冷静に考えれば確かにおかしい。〈サザエさん〉じゃないんだから。



とは言えこの作品が異質なのは,〈緑のルパン〉と〈赤のルパン〉の2人のルパンの対決と見せかけて,何百人ものルパンが登場し,「ルパンの心を持ったのがルパンだ」と言った解説をしていることだ。

旧作〈ルパン三世〉でも,街中の人がルパンの変装をしている,というシーンはあったが,あれはあくまでもアルバイトの若者が変装をしているだけだった。この作品では,ルパンになろうと思って変装をして,さらに自分で泥棒を(万引きも)している人たちが何百人もいて,さらに頑張ればその中の誰かが〈?代目のルパン三世〉になれる,というぶっ飛んだメタフィジカルな設定になっていることだ。

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そうした設定の上に,意図的に観客を混乱させようとしているフシがこの作品にはある。

画面できちんと描写されるだけでも〈緑のルパン〉〈赤のルパン〉,さらに〈兄貴ルパンA〉〈子分ルパンK〉がおり,敵の組織にも偽ルパンがいるなど,とにかくルパンだらけで混乱する。

さらに〈緑のルパン〉となったヤスオの過去が,時系列をバラバラにして挿入され,彼の妄想までも一緒に表現される。また本家のように見える〈赤のルパン〉の正体が,ある人物であるように描かれているのだが,最後まではっきりとしたことが分からない。

画面上の混乱に,脚本上の惑わしもプラスされ,観終えてもモヤモヤが残ってしまう。

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観終えてからしばらくすると,〈ルパン三世〉の世界を破壊しかねないこの作品のテーマの面白さの方が強く感じられてきた。

禁じ手のようでありながら,なかなかクセになりそうな作品だ。一般的にはオススメは出来ないけれど。













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Last updated  2015.08.24 21:57:00
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