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2015.08.25
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カテゴリ: びしびし本格推理
歌野晶午の問題作「密室殺人ゲーム」の続編を読んだ。

○ストーリー
恐怖の殺人ゲームは続いていた。おなじみの5人がネットで繋がり,殺人事件の推理ゲームをしている。彼らはリアルな殺人者で,メンバーに自分の犯罪の謎解きに挑ませているのだった。ゲームの果てに起きた衝撃の事件とは?

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前作「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」は,〈頭狂人〉ら5人のネット住民による殺人推理ゲームだった。だが出題者=殺人者が順番に進む中で,意外な展開が起き,彼らはリアルでも協力をして・・・というところで終わっていた。

この作品では,〈頭狂人〉を始め5人の語り手は復活しており,殺人ゲームは再開される。この時点で,前作を読んだ者は「おや?」と疑問を抱くのだが,作者はきちんと状況を説明し,今回の「2.0」がどのように前作とつながっているかを説明してくれる。

前作同様に刺激的なミステリーが連続して提示され,それも面白いのだが,前作と「2.0」のつながり方にはなかなかの衝撃を受けた。こんな形の続編ってこれまで読んだことがなかった。その点だけでも驚きだ。

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今回はさらにページ数は増え,文庫で600ページを超える。相変わらず残酷な事件が語られるが,主人公たちがゲーム感覚なので,その陰惨さは良くも悪くも薄められている。



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各編について簡単に感想を述べる。

「Q1 次は誰が殺しますか?」:偶然容疑者となった男は,恐怖の殺人ゲームを行っていた。〈頭狂人〉たちは,他のチームが行っていたマンション連続殺人事件にチャレンジする。・・・男が捕まったことで,連続殺人ゲームが明らかになる。部外者としてそのゲームの法則を解き明かそうと,おなじみのメンバーが語り合っていて,ひじょうに懐かしいのだが,一方で前作のラストはどうなった?と気になり続ける。ゲームの法則は難し過ぎて,あまりリアリティは無いなあ。

「Q2 密室などない」:田舎の一軒家で発見された死体は,それまでは完全なる密室に置かれていた。・・・前作でもおなじみの偶数章は脱力系という趣向だ。〈伴道全教授〉が出題する。

「Q3 切り裂きジャック三十分の孤独」:ビルの地下でオーナーのバラバラ死体が発見された。だがそこまでの扉は死体によって内部からロックされていた。犯人はどこに消えたのか?そして密室の構築方法は?・・・〈ザンギャ君〉による捨て身の殺人計画が披露される。第3章になって,今回も前作同様にリアル殺人ゲームだったのだと納得させられた。それにしても強烈だ。

「Q4 相当な悪魔」:大阪に帰ったはずの女子大生は,翌朝関東で死体で発見された。事件の中継を送った〈頭狂人〉も大阪には行けないはずだった。関東と大阪をつなぐ秘密とは?・・・ちょっとアンフェアのようなトリックだが,この事件の肝は,出題者〈頭狂人〉の鬼畜さだろう。それと同時に,「あれ?この〈頭狂人〉って誰?」という疑問が生じてくる。

「Q5 三つの閂」:雪景色の真ん中に置かれ,厳重な閂で施錠された箱には,女子高生の死体が置かれていた。芸術的な密室の真相とは?・・・〈aXe〉の機械的ミステリーだ。前章が真面目だったので,1個飛ばして5章が脱力系?と思わせて,なかなか強引な正解が語られている。強引だけれど,考えてみるとなかなか芸術的だ。

「Q6 密室よ、さらば」:マンションで女性が殺害された。さらに見ず知らずの男の死体があった。様々な憶測が流れる中,唯一説明できる方法とは?・・・大活躍の〈044APD〉がついに出題者側に回る。これまでで一番長い章で,メンバーは回答にかなり苦労する。真相はロジックとしてはしっかりしているが,それ以外が全く描写されないので,ぽかーんとしてしまう。

「Q? そして扉が開かれた」:密室殺人ゲームの再起動が語られる。・・・この見事な文体。ふつーの女子高生がゲームに参加しようとしているのだ。実に恐ろしい。










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Last updated  2015.08.26 22:16:06
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