きっとどこかの物語

2007.06.20
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死んだぼくの絵


ぼくは絵が描きたくて
一生それで生きていきたくて
ただそれだけを願ったかのように生まれてきたような気がして
生きてきた

親の罵声を浴びながら
反対を押し切って
絵の学校に入った
うれしくてうれしくて


全てぼくの宝だった
ひとつひとつの色が
一本一本の線が
全てぼくの宝だった

学校の合間
親から罵声を食らう合間
唯一絵がかける時間
一本の線が命

動かないはずの絵が
昔はいつも動いてた
飛び跳ねたり笑ったり泣いたり怒ったり


毎日毎日かいて
その暮らしが当たり前になった今
いつのまにかその気持ち 無くしてた

忘れてた
すごく悲しかった

鼻がつんとした

さっきまで描いてた絵をみたら
その絵から
なんの感情も汲み取れないんだ
全く動かないんだ
なんだかぼくの絵が
死んだ気がした

大粒の涙があふれてきたんだ
ぼくがぼくの絵を
殺したんだ

上手く描きたい一心に
絵をただの紙としてみてた
ぼくがぼくの絵を殺したんだ

ごめん

ごめんね

そんなことをしたのにこの手が
まだ描きたいって言ってんだ
もっともっとたくさん描きたいって言ってんだ

もう一度 ペンをとってもいいかな
もう一度 線をひいてもいいかな

絵に命を吹き込む権利 ぼくに
まだあるかな

二度と命のない絵など描かないと誓うから
ぼくに
もう一度






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Last updated  2007.06.20 11:40:59


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