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2014.12.25
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カテゴリ: 文学
134「パン の文化史」舟田詠子(ふねだえいこ)

講談社学術文庫 343頁¥1150 2013.12.10 初版第1刷発行

[目次] 

はしがき

序章 米偏世界へ渡来した異邦人

第1章 パンとは何か

1パンづ くりとは何か

2ムギ

3無発酵 パンと発酵パン



1パンは なぜふくらむのか

2パン種

3「たね なしパンの祭り」

4「最後 の晩餐」のパン

5発酵と 不浄

第3章 パン焼き

1古代遺 跡が語るパンの発達

2古代人 のパン焼きのくふう

3中世の パン焼き

第4章 パンを焼く村を訪ねて

1パンを 焼く村を訪ねて



3パンと 十字印

第5章 パン文化の伝承

 1 パン文化の伝承

 2 嫁のパン焼きと姑のパン焼き

 3 祭りの象形パン



5パン窯 にまつわる暗い影

第6章貴族のパンと庶民のパン

 1 中世の白パン社会と黒パン社会

 2 パン屋

終章 パン何を意味してきたか

 1 パンのほどこし

 2 ある巡礼の古い記憶から

あとがき

[内容]

著者は1978年より パンの文化史を研究している人で、ウイーン在住。本書の前
半では先人による文献や遺跡調査をたどりながらパンの歴史を解説し、後半で
は、 オーストリアのアルプス山中の村などで綿密な実地調査を行った成果を盛
り込みながら、ヨーロッパ文化の中でのパンの姿を語っています。

オオムギとコムギは「肥沃な三日月地帯」と呼ばれるチグリス、ユフラテス川流
域を含む西アジアの地域で作物として誕生 したことが知られています。著者
は、パンもこの地帯で生まれたのであろうと考えています。しかし、パンがいつ
からあったかという点になる と、臼や土器の存在だけでは決められないという
ことです。

[感想]

一つだけ気になったこと。この本では、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク
の総称として「ムギ」と呼んでいます。し かし植物学的には、ムギという植物
ないし植物群は存在しません。一般に、ムギという語は使われ方が曖昧です。コ
ムギとオオムギを合わせて ムギと呼ぶ場合も多いようです。英語にはムギに相
当する語はありません。また一口に「コムギ」と呼ばれる植物にも、ヒトツブコ
ムギ、フタ ツブコムギ、マカロニコムギ、パンコムギなど多数の栽培種があり
ます。とくにパンの誕生の時代を解説する際には、どの植物種が用いられた の
かをきちんと区別して記述する必要があります。

巻末に詳しい引用文献一覧が掲げられているのは、読者にとって有難い。

[頁のか けら] 

〇 今から5500年以上前にスイス湖畔で生活をしていた遺跡の住人は、オオムギ
とコムギを知っており、これを挽いて、その粉ではパンを つくり、粗びきでは
カユをつくった。そのカユは、貯蔵できて、いつでも必要なときに水煮ができ
た。パンはすでに最初の段階から発酵させて いた。そしてよりふっくらしたも
のを目指して、灰焼きから、パン窯状の設備を考案するに至ったのである。(99頁)

○ アルプス以北は、ライムギでパンをつくる黒パン地 帯である。しかしもっと
も収穫量の多いのはエンバク、次いでライムギ、コムギの順であるから、エンバ
クパンの方を日常多く食べ、ライムギ パンはよりおいしいものとして大切にさ
れた。そしてコムギパンを食べる機会は、自給自足時代には年にたった二度、ク
リスマス前日と復活祭 のみ、という家がほとんどであった。(161頁)

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 ランダム読書日記 

  by 行道 はるか YUKUMICHI Haruka (2014.12.25. No.134)








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Last updated  2015.01.02 19:34:00
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