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2004年08月17日
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テーマ: 中国&台湾(3345)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 これから向かおうとしているルートは世界最難関ルートの一つなのだそうだ。なかなか出発できないのも、トンファさんが安全を一番に考えてくれての事であって、そのためのいろいろな手配に手間取っているようだった。けれども昨日の午後、トンファさんはとても明るい顔をして僕らにこう言った「明日6時に出発です」それから、僕らに中国人であれば必ず持っている身分証明所を一枚ずつくれた。既にこの街もそうなのだが、これからラサまでは訪れる街がすべて外国人未開放都市である。だからホテルに泊るのにいろいろとトラブルが予想されるのだそうだ。何軒かのホテルは外国人と分かっても目をつぶってくれるが、何軒かはすぐに公安に通報して、僕らは逮捕されかねない。けれどもこの身分証明証があれば鬼に金棒だ。これはトンファさんの友人のものなので顔写真に無理があるが、ホテルの手続きはトンファさんがすべてやってくれるのだ問題無いといった。けれども僕は一応、その身分証明証の名前と、住所、生年月日をすべて暗唱しておいた。

 ところがである。今朝目が覚めてみると、もう8時を回っている。6時出発と言っていたのに、何も起きない。トンファさんはどこかへ行ったまま11時まで帰ってこなかった。なんと、借りるはずのジープがまだここに到着していないのだそうだ。昨日の夜までに来るはずだったのに、途中の道が寸断されていて、立ち往生しているのだと言っていた。ここはもうチベットエリアだ。そんなことも日常茶飯事なのだ。午後には出発できると言っていたが、2時にジープを見に行ってもまだ到着していない。けれどもトンファさんは絶対に今日出発すると言い張っていた。

 夫婦喧嘩が始まった。奥さんが「あなた、たとえ今出発したとしても何時に甘政に着くと思っているの?これから天気も悪くなりそうだし、今日出発なんて無謀もいいところよ。あきらめておとなしく明日の朝出発するべきだわ」と言う。トンファさんは、僕らに気をつかっているのだろうが、しばらく抵抗を続けていた。けれどもやはり安全を考えて今日の出発はあきらめるしかなかった。奥さんも僕らに気を遣ってくれているのだろう。今日の夕飯は、普通とても重要な客が来た時しか振る舞わないというチベットの民族料理を作ってくれた。それは牛肉と野菜のたっぷり入った麺で、スープが濃厚でとてもおいしかった。4杯も御代わりしてしまった。

 ちなみに、夫婦喧嘩から夕食の間に、奥さんが予想したように天気が荒れた。急に気温が低下し、雨が大量に降った。夕暮れ時に突然あたりが明るくなり、嵐は去った。西の山を見ると、それまで緑色だった筈の山の頂上が真っ白に変化していた。それを見て「人民帽」が何気なくつぶやいた。「八月の雪だ」その言葉がなんとなく耳に残った。そして改めて、チベットの自然の厳しさを肌身に感じた。





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最終更新日  2004年08月17日 21時36分51秒
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