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「源義経黄金伝説」http://ncode.syosetu.com/n1703dc/「源義経黄金伝説」とは■日本版三国志の物語。時代は,源平の争いから、鎌倉幕府が成立しょうとしていた時期。京都の陰陽師・鬼一方眼に、友人、西行法師は源義経の養育を依頼。その背景には、後白河法王、藤原秀衡が。 東アジアのフロンテイアである日本は、国家を成立。その象徴として黄金大仏を作り、国家の勢力をシンボル化。平安京に奠都した大和は、日本を統一していくが、国家象徴としての黄金大仏は、武家革命勢力による内乱のため、消失。その大仏再建を図らんため独立国家、奥州を併合、黄金を収奪しょうとする鎌倉武家革命政権。瀬戸内海荘園群を経済地盤とする、後白河法王を頂点とする貴族制西国王朝と新興勢力である東国騎馬武士団を率いる源頼朝。古代よりエミシの血を受け継ぐ奥州に黄金・仏教王国を構える藤原秀衡。「義経黄金伝説」は、一二世紀日本の三つの都市(京都、鎌倉、平泉)と三人の騎士の物語。
2016年08月25日
「源義経黄金伝説」http://ncode.syosetu.com/n1703dc/「源義経黄金伝説」とは■日本版三国志の物語。時代は,源平の争いから、鎌倉幕府が成立しょうとしていた時期。京都の陰陽師・鬼一方眼に、友人、西行法師は源義経の養育を依頼。その背景には、後白河法王、藤原秀衡が。 東アジアのフロンテイアである日本は、国家を成立。その象徴として黄金大仏を作り、国家の勢力をシンボル化。平安京に奠都した大和は、日本を統一していくが、国家象徴としての黄金大仏は、武家革命勢力による内乱のため、消失。その大仏再建を図らんため独立国家、奥州を併合、黄金を収奪しょうとする鎌倉武家革命政権。瀬戸内海荘園群を経済地盤とする、後白河法王を頂点とする貴族制西国王朝と新興勢力である東国騎馬武士団を率いる源頼朝。古代よりエミシの血を受け継ぐ奥州に黄金・仏教王国を構える藤原秀衡。「義経黄金伝説」は、一二世紀日本の三つの都市(京都、鎌倉、平泉)と三人の騎士の物語。
2016年08月16日
源義経黄金伝説■第8回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所 弁慶は鬼一から 牛若の氏素性を話され、守り役に徹すると決めた。牛若がいう。「弁慶、私の味方になりたいのかどうだ?返答はいかがか」「いや、それはもう、、」悪僧、弁慶の答えは微妙である。「先刻の五条の橋で暴言をはかなったか。いや、で、ものは相談。お主が味方かどうか、こころたい。私のゆうことを聞いてくれるかな」「それは、もう」「弁慶、俺は奥州へ行くにあたって、鞍馬から土産を持って行きたいのよ」「若、一体、何を。いたずらはもう、いい加減になされませ」 弁慶は牛若を若と読んでいる、この男なりの諧謔である。「いたずらではない。俺が源氏の生まれで在る事を証明したいのだ。私はな、鞍馬に伝わる太刀を持って行こうと思うのだ。そうすれば、あの奥州の者共、俺の力にびっくりするぞ。いや、敬服する!」牛若はもう心を決めている。あの埒外の地にいき、自分の存在を示す、いわば旗をあげるには それに限るのだ。「まさか、若様。あれを…」 弁慶は冷や汗を流している。「そうなのだ。私が欲しいのは鞍馬宝物の坂上田村磨呂の太刀なのだ」 坂上田村磨呂、最初の征夷大将軍である。東北人との争いで、始めて大和朝廷の力に屈せしめた大将軍である。その太刀が、この鞍馬の秘刀として、鞍馬に保存されているのである。しばらくして鞍馬山の火祭りの夜のことである。「誰か、火が。火が宝殿から出ておるぞ」 凄まじい叫び声が、鞍馬山から木霊している。漆黒の闇の中、炎が宝殿をなめ尽くそうとしていた。「早く、早く、中の仏典、宝物を、、、」 僧坊の僧たちがてんでに、宝物を持ち、宝殿から助け出そうとしている。その中に無論、牛若と弁慶も混じっている。「若、これは、、泥棒ではないか」「いや、何、火を持ってする戦法だ」牛若の顔が笑っているように弁慶には見える。 疾風のように、二人は京都の奥州の大使館にあたる平泉第まで駆け抜けている。その場所には猪首の巨漢が体を振るわして待っていた。「さあて、吉次、準備は調うたぞ。出発いたそう」牛若が鋸やかに言う。うやうやしく吉次は答える。「わかり申した。ふふ、牛若さまの本当の旅立ちでございますな」 金売り吉次はこのとき三十才。若い盛りであった。 吉次は、奥州の金を京都の平家に届けている。 清盛はその金を宋に輸出し、宋の銭を得ていた。日本の貿易に 宋銭を利用し、お金というものの革命を起こそうとしている、その一翼を吉次がになう。奥州と平家はこのように結び合っていた。続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
2016年08月13日
源義経黄金伝説■第7回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所言うが早いか、弁慶は、背中から引き抜いた薙刀を一閃していた。普通の人間ならば、真っ二つである。が、弁慶の薙刀には、手ごたえがない。目の前にあるはずの、血まみれの体も残ってはいない。「はて、面妖な」「ふふっ、ここだ、ここだ」 弁慶の後ろから声が聞こえて来る。すばやく、背後を見返すと、橋げたのうえにふわりと牛若が乗っている。まるで、重さがない鳥のように、それは乗っているのだ。「貴様は、飛ぶ鳥か」「ふふう、そうかも知れぬぞ」不敵な笑みが、牛若の顔から漏れている。「鞍馬山の鳥かもな」 その声音は、完全に人を食っている。牛若は、自分の力を他人に見せるのが、うれしく、楽しいのだ。「お前は、平氏のまわし者か」毅然と、牛若が言う。「何を言う。平氏など、物の数ではない」そう答えるが早いか、弁慶は橋を蹴って、欄干のうえに薙刀を数振りする。その刀の動きは、常人の目には捕らえられぬ。とはいえ、明かりなどない夜中である。誰もそれには気付かぬ。ただ、野犬が、恐るべき力の争いに驚き、鳴き声をあげている。「どうした、弁慶。この私を捕まえることができぬか」にやりと笑う牛若の顔に、弁慶は、憎しみを倍加させる。 西行と鬼一法眼は橋の影からのぞいている。「どうだ、遮那王様の動き」「よかろう。あのように成長しておられるならば、奥州の秀衡殿の手元にお送りしても、十分役にたつだろう」。「秀衡殿もお喜びであろう」二人笑い会う。「西行殿、後はお任せるぞ」「何をこしゃくな」が、弁慶の額には、うっすらと汗が浮かんでいた。「弁慶、止めるのじゃ」突然異形の老人が、弁慶の前に姿を現し、争いを止めようとした。強い、この男は、弁慶はこの男を見て毛穴がひゅつと閉じるの感じた。「なぜだ、鬼一殿。この若造を殺せというたは、お主ではないのか」弁慶はこの老人にくってかかる。「もうよいのだ。お主もこの若者の力がわかったであろう」「そうであればこそ、なおさら許せぬ。俺の力を見せねば、気が済まぬ」「そうだ、鬼一。止めてくださるな。この大男に負けたと言わせるまでは、私も気が済まぬ」欄干の上にいる牛若が、答える。「こやつ、いわしておけば」背中より大槌を引き抜いて、弁慶は打ってかかる。ズーンと大きな音が響き、バラバラと橋げたが川中に崩れ落ちる。「おお、何をする。橋を壊すつもりか」「橋が壊れるが早いか、お主が死ぬのが早いか」 騒ぎを聞き付けた検非違使たちが六波羅の方から駆けつけてくる。「いかぬ」弁慶はそれにきを取られる。「ぐぅ」思わず弁慶が叫び、気を失う。牛若の高下駄が蹴りを弁慶の天頂に加えていた。「やれやれ」鬼一は橋のしたに用意してあった小舟に弁慶の体を隠し、鴨川を下った。「牛若殿、もう少しお手柔らかにお願いいたすぞ」「戦いの舞台を移そう」「こわっぱ、どこに逃げる。怖じけづいたか」息を吹き返し、苦しい息の下から弁慶が叫ぶ。「何を言う。お主がそう暴れるから、そら平家の郎党が現れたではないか」平家の屋敷に点々と灯が灯り、その灯が五条の橋を目がけてくる。かなりの人数のようだ。牛若が跳躍する。「おのれ、何処へ」弁慶は上を眺め、叫んだ。「頭の悪い坊主。この京都で晴れ舞台と言えばわかろうが…」声は天から響いた。「くっ、あそこか。わ、わかったぞ。約束を違えるなよ。半刻後じゃ、よいな」遠方で見ていた、西行と鬼一法眼はお互いに顔を見合わせていた。「いかん、あやつら、まさか…」「そうじゃ、あの寺だな」二人は疾風となり、東山を目指している。四人が目指すは、坂上田村麻呂公の寺、清水寺である。牛若は、弁慶の前で、清水寺の舞台で、ひらりひらりと舞っている。「ふっ、弁慶、どうだい。貴公もこの欄干の上で、京都の町を見てゆかぬか。よう見えるぞ。特に平家屋敷がな。おっと、貴公の体では、ちと無理かもな」「くそっ、口のへらぬこわっぱだ。そのようなこと、俺にもできるわ」「弁慶、止めておけ。お主の重さ、この清水寺の舞台を沈ませるぞ」「牛若殿、もう止めておきなされ。このお方もお疲れなのだ。お主の武勇、充分私も見せてもろうたぞ」いつも間にかその場所に源空も現れている。「争い事は、武士たちにお 任せなるのだ」源空の頭の中には、子供のころの自らの家の惨劇が埋まっている。 源空、後の世にいう法然は、この後、京都市中で僧坊を営み、後白河法皇、九条兼実らの知遇を得ることになる。 後に鎌倉仏教と呼ばれることになる、新しい日本仏教は、この源平争乱という武者革命と時を同じくしつつ起こった「宗教改革」だったのである。この時の源空には、まだその片鱗は見えない。続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
2016年08月13日
源義経黄金伝説■第5回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所十五年後。永暦元年(一一六〇)今年57歳になった法師が、山道を登っている。 京都、鞍馬山僧正ヶ谷である。山肌に木の根が血管のようにごつごつと現れている。 激しく武者修行をする牛若の前に、法師が一人現れていた。かぶりもので牛若うしわかには顔が見えない。「牛若殿、元気であらせられるか」「はっ、あなた様は」「名乗るほどの者ではない。いずれ私の正体わかりもうそう。いわば、牛若殿の未来にかけておるものだ。いかがかな、牛若殿、武術の方は上達いたしましたか」その問に不審な顔で牛若は答えた。「はっ、師匠の鬼一法眼おにいちほうがん様の指導よろしきを得て、ますます励んでおります」「そうよのう、ここ鞍馬山の坂道で鍛えられれば、体力もつきもうそう。が、牛若殿、くれぐれも自重されよ。牛若殿の身は、御身一人だけのものではないのだ。お気をつけられよ」 そう言い残し、法師は去って行った。練習に励む牛若の前に、牛若の師匠、鬼一法眼が現れる。京都、いや日本で有名な幻術師である。「お師匠様、見たこともない法師が、私を激励されましたが…」不思議そうな表情で述べた。 鬼一法眼はかすかにほほ笑んで「ふふう、牛若、あちこちにお前の守護神がおるようだのう」「あの方は、私の守護神ですか」「どうやら、そのようだのう」 牛若は、首をひねる。その姿を見て、鬼一法眼は笑っていた。今、牛若は毎日、下界の京都までかけ降りては、自分の武術を試し、鞍馬にかけ戻っている。「牛若殿、またそのような乱暴狼藉を働かれて…」非難するような様子で、その若い僧は言う。 その源空げんくうという名の僧は、京都王朝の大学・学術都市である比叡山の僧坊に属しているのだが、ある時牛若と出会い、友達となったのだった。ゆっくりとお互いの身の上を話し合った。 源空は、じっとりと顔が濡れるほどに、牛若の身の上を案じてくれた。「何と、お可哀想な身の上なのだ…」 その若者らしい激情に、牛若もまた自身の身の上話に、ほほに涙をぬらすのだ。「牛若殿、仏に身を任せるのじゃ。そうすれば、おのが身、仏によって救われるであろう」いつも出会うたびに、言うのだった。が、牛若は仏を信じぬ。 牛若は自分の体は、戦の化身だと信じている。なぜならば、父は源氏の氏長者うじのちょうじゃだったのだ。武者中の武者の血が流れているのだ。それがこのような京都の外界、辺境に置かれようとも、いつかはこの世に出たい。源氏の若武者として、名を馳せたい。そういう願いが、牛若の心を一杯にしている。そうするべきだという自身が、みづからの中から沸き起こるのだ。 若い血は、あの急勾配の鞍馬山を、毎日行き来することによってにじり立ち、若い体は強力な膂力を手に入れつつあった。そして、その若い力を、この無慈悲なる、牛若自身の力を理解しない世の中へ出て試したいと、希っていた。これは、世に対する復讐なのか 源空は、やさしくにこやかな表情でゆっくりと分かりやすく牛若に語る。「およしなされ、牛若殿。、、、おのが身は、、、平相国そうこく、平の清盛様から助けられた命でございますぞ。、、、そのようなお考え、恐ろしいことは、お止めなされ」 と非難し止めるのであった。なぜに源空は、私の心がわかるのか、、と 牛若は思った。(続く)★2016改訂★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
2016年08月13日
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