やっと2人に会える!
一緒にバレーボールをした仲間であり、共に青春を過ごした(ナミはミユと姫菜より2つ上)。夜遅くまでのLINEトークや通話が止まらなくて、夜中回りそうになった。
朝7時過ぎ、2人からLINEが入る。
「今、延岡出たよ!」
車輪が回り出したら、旅が始まるんだー某アイドルの歌の歌詞にもあったっけ、な。
それまで部屋でぐーたらし、ゴロゴロして時間を潰す。
ふとー隣の家の鍵が開いた様だ。姫菜は起き上がって、穴から外を覗く。あの男性(名前は知らない)がどこかへ行く様だ。私服はなかなかイケてる。
時刻はまだ9時前。もうそろそろ大分の乗り換えの駅に着く頃か?
するとーグループLINEが動く。ナミとミユのツーショットだ!
「乗り換えた!!まだまだ長いね」
姫菜は準備をし、外出する時間を待つ。
10時が過ぎー姫菜は家の鍵を閉め、歩いて博多駅方面へと向かう。
商店街を歩いていた時ー人力車(京都で2回乗った事があるが、福岡では初めて見た)とぶつかりそうになったではないか!
「大丈夫ですか?」
姫菜は声のした方を振り向いた。目の前には、姫菜の隣に住むあの男性ではないか!
「大丈夫です。それじゃ」と姫菜が去ろうとした時ー
「どこかへ行かれるのですか?行先言えば、乗せて行きますよ」
「大丈夫ですから」姫菜は頑なに断るが、隣人の男性(名前はまだ知らない)は引かずにー
「さぁ、乗って!僕はあなたみたいな可愛い方に乗って貰いたいんですよ」
隣人の男性(ここではいけめん君としておこう)は姫菜からバッグを奪い取り、人力車を下ろした。
「博多駅までお願いします」
姫菜はポーカーフェイスのまま、呟く様に言う。
京都で乗った以来の人力車ー男性嫌いの姫菜は一瞬でそのいけめん君に惚れ込んだのだ。
「宮崎から友達が来るんですよ。到着はええと…11時半前ですかね?」
いけめん君は姫菜の顔を真っ直ぐに見つめる。
「僕、ヒカルって言います。あなたは?」
「佐藤…姫菜です」
ヒカルと名乗ったいけめん君は2年位前に東京から福岡に来て、仕事を探していたのだそう。出身地は東北地方で、人と接するのが好きだと話してくれた。
最初は警戒していた姫菜も次第に緊張が溶け、話をする事が出来た。
時刻は10時を回った頃ーヒカルが好きな場所へと連れて行くと言ってくれた。
博多にも神社やお寺があるー。姫菜は延岡にいた頃、仏閣めぐりや参拝、定例行事に参加したりした。
般若心経は1年掛けて暗記した。暇さえあれば、自然と唱える位だ。
話しているうちに博多駅に着いた。グループLINEにメッセージを入れ、2人の到着を待った。
「博多駅なう!」というメッセージとヒカルとのツーショットを添えて。
お金を払い終えても、ヒカルは2人が来るのを待ってくれていた。
「「ヒナーー!」」と聞き覚えのある声がした。そこにはーキャリーバッグを持ったナミとミユがいるではないか!
「やっと会えた!」
3人でハグをし合い、顔を見やった。青春が蘇ってきた。
「何もされちょらん?」
突然のミユの問いに、帰ろうとしたヒカルが「?」と首を傾げるのをナミは見逃さなかった。
「何か、家んドアに袋が掛かっちょって、怖いって言っちょったやん」
あー、あれか…。
「ウチらがホテル抜けて見張っちょこか?。そして、犯人をとっちめる!」
ミユは最強だ。何度も姫菜を助けてくれたからだ。
2人が来てくれた。果たして、その犯人を捕まえる事は出来るのだろうか?
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