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産卵を終えた蛙たちが帰ってしまった後の中庭の池は、まるで何事もなかったように、朝の日差しを浴びた金魚たちがゆうゆうと泳いでいた。
「あの細長い卵はねェー、あと一ヶ月もすると親指ぐらいの太さに膨らんでくる。そして、5月の初めの頃になると袋を破ってオタマジャクシがでてくるんだよ。手が出て足が出て、最後に尻尾がとれる。それで蛙になるわけだけれど、この尻尾の取れる時期が一番心配なんだ。この頃に気温が下がると死んでしまうんだよ。一度は全滅になったこともあった。今年はどうかねェー。」と、Kさん。
「人間で言う麻疹のようなものだけど、この時期を無事に越えて蛙に成れるのは、何千匹いてもそう多くはないんだよ!」。ふーん。そうなんだー。あのオタマジャクシが全部蛙になったら、考えただけでも恐ろしい数になるわけだけだから…。自然界の摂理ってすごーい。\(^O^)/
病院の中庭の小さな池のドラマは、まだ始まったばかり。中庭博士の話はまだまだつづく……。何だかわくわくしてしまう。いよいよこの池から目が離せなくなってしまった。
金魚草ことにぱちぱちする週末 中北綾子(現代俳句歳時記・チクマ秀版社)所収

Kさんが可愛がっている「野良ちゃん」です。