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お休みを取ったあと5日振りに仕事に出た。いつものように真っ先に1-2病棟の6号室、87歳の楽しい患者さんのところに直行。するとベットが空、え!まさか!。近くにいた看護師をつかまえて「ね!Aさんは?、どうしたの?」畳み掛けるような聞きかたをすると「えー。4日前の夜勤帯で吐血をして治療病棟に移ったんですよ!」と言う返事。
あああー可哀想に。昼休みを待ちかねて中庭を隔てた治療病棟の彼女に会いに行った。点滴はやっていなかったので状態は落ち着いているようだ。「Aさん!」と、のぞき込むようにして声を掛けると、「わあ!」と懐かしい声と顔が蒲団から覗いてちょっとだけにこっとしたけれど、そのまま蒲団に潜ってしまった。頬はこけて顔色は悪かった。「がんばってね!」本人には通じないと思うけれど、声を掛けて病室を後にした。
庭に下りると中庭博士と私が名付けたKさんと会う。「しばらくだねー。」「さっきから見ているけど、ダテカンバと桜紅葉の見分けが付かなくて…」、「これだよ!ハートの形をしている方がダテカンバだよ!あとは分かるだろ」と拾って並べて見せてくれた。しばらく一面に散らばった落ち葉を見ていると「ほら!この前生まれた金魚の赤ちゃん、もうあんなに大きくなったんだよ!」にこにこと話し掛けてくれる。「ああー。糸のようなうんちを付けていた赤ちゃんね!大きくなったこと、元気そうだし…」そんな会話をするだけで何時しか気持ちが和む。日常のちょっとした一齣もやっぱりシーソーのよう。だから生きているって楽しい。
今日も干す昨日の色の唐辛子 林翔(忘れられない名句・福田甲子雄書)所収
