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2003.06.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 昨日の夜は、以前からじっくり観たいと思っていた「にあんちゃん」という旧い日本映画を観た。

この映画は、楽天日記を通して知り合った、「なでしこ3779
さん」のご好意でダビングしていただいたものを送ってもらったのだ。ビデオレンタルには出されていない、とても貴重な映画で、観た後に清々しさの残る大変すばらしい映画だった。

まずは、作品紹介と簡単なあらすじを・・・

「にあんちゃん」

1959年制作   

長男ーあんちゃん   長門裕之
長女ーねえちゃん   松尾嘉代
次男ーにあんちゃん  沖村 武


ストーリー

昭和35年ごろの九州は佐賀の、とある炭鉱町の貧しい四兄弟の話だ。一時期は好景気を呈していた炭鉱町も、いまや石炭の需要も少なくなり、閉山の一歩手前に追いやられている。そんな中、落盤事故で、四兄弟の父親が亡くなり葬式の終わるところから物語は始まる。

大黒柱をなくし、途方にくれる四兄弟。母はすでにない。炭鉱の課長の取り計らいで中学生の長男(長門裕之)が、臨時で雇われるが、給料は少なく、四人はどん底の貧乏生活を送る。毎日の食べる米も朝鮮人のおばあさんに借りる始末。長男と、長女は、別々の場所に住み込みで働きに行くことになり、下の二人は父親の仕事仲間の一家に居候する。だが、この一家も貧しく、おかみさんは愚痴をもらし、子供達にいやみを言う。でも、次男のにあんちゃん(二番目のあんちゃんの意)は、小学生ながら、妹のせいこちゃんを気遣いながら明るく逞しく生きていく。

とうとう、炭鉱は閉山となり、居候先の一家も落盤事故で怪我を負い、引っ越すことになる。兄妹は別のところに預けられるが、一夜で飛び出し、炭鉱町に保健婦として赴任してきていたお姉さんのところに妹は預かってもらう。保健婦のお姉さん(吉行和子)は、町のために色々奮闘するが、町全体が貧しく、住民の意識が生きていくことに精一杯のため、お金のかかる生活向上のための設備投資の話や、病人の療養、赤ん坊の清潔維持の話なんかに聞く耳をもたない。

でも、にあんちゃんも、せいこちゃんもこの一生懸命がんばっているお姉さんが大好きである。そのお姉さんも東京に戻る事になり、結局せいこちゃんは、朝鮮人のおばあさんのもとに預けられ、にあんちゃんは住み込みのアルバイトに行く。そしてこの町では生きていくことが難しいと悟り、単身東京に出て行く。が、そこは小学生の身。警察に保護され再び生まれ育った町に返される。

物語の最後は、にあんちゃんとせいこちゃんが手をつないで、トロッコ用の線路の丘を登っていく。『ばってん、僕はへこたれんぞ、いつかここを飛び出してやる。もっと広い大きなところで自分を試したいのだ。父ちゃんもあんちゃんも、貧乏のために出来なかった事を僕がやって見せるのだ。きっと!』


★感想★

この映画は昭和35年ごろの制作なので、白黒映画なのだが、前にも述べたとうり、人の表情や、町の様子などが、白黒の陰影にかもし出されて、カラーより一層その機微を見出しやすいと思う。炭鉱町の様子などは、まるでNHKのアーカイブテレビのようで、その当時のドキュメンタリー番組を見ているようだった。閉山寸前の炭鉱町の様子は、今の自分の生活からは想像もできないような貧しい暮らしぶりで、はっきりいってびっくりした。教科書やドキュメンタリー番組でちょこっとは知っていたが、長時間そういう生活に密着した番組を見たことはなかった。主人公の兄弟達も貧しかったが、それは一部だけの話ではなく、この町の皆が貧しかったのだ。

でも、その貧しくて辛い中でも笑顔を絶やさずに、常に兄弟達を気遣うにあんちゃんの明るくておおらかな強さが頼もしかった。自分は昼ごはんを水で済ませ、妹にはちゃんと食べさせてあげる。級友にからかわれても、「文句があるならかかって来い。」と言う逞しさ。現状を把握し先を見通す目をもつ賢さ。他人をかばうことのできる優しさ。どれをとっても今の子供達が無くしてしまった、子供像だと思う。

それに、この貧しい兄弟を見守る周囲の大人達がまた良い。あんちゃんが失業してしまったことに憤りを感じ、課長に食って掛かり、挙句は兄弟二人を引き取ってくれたおじさん一家。何かとせいこちゃんや、にあんちゃんのことを気にかけてくれる小学校の先生。朝鮮人のお婆さんは、金にいぎたなく、こずるいようなところもあるけれど結局のところは助けてくれている。やっぱり朝鮮人のあんちゃんの友達もそうだ。にあんちゃんたちを優しく見守ってくれている。もちろん保健婦のお姉さんは親身になってくれている。皆自分の生活に一杯一杯なのに、悩みも、問題も抱えているのに強く逞しく明るく生きている。物語の内容はとても重く、本当はもっと緊迫した状況なのに、明るく逞しいにあんちゃんや、せいこちゃん。離れ離れになって頑張っている兄と姉。そして周囲の大人たちの心配り。それが物語をとても清々しく明るいものにさせていると思った。


物語のところどころで、せいこちゃんが独白するシーンがあり、それがとても切なかった。「貧しくても、四人がそろって暮らせるほうがいいのです。」幼いせいこちゃんのやるせない本当の気持ちだ。



川遊びは本当に楽しそうでうらやましかったよ。

もう一つ。とっても若い長門裕之さん。なでしこさんが言っていたけど、確かにサザンの桑田佳祐さんに似ていらっしゃる。年配になった長門さんしか知らないだけに、何だか可愛かったです。


以上、にあんちゃんのお話でした。なでしこさん、よい映画をありがとうございました。観ることができてとってもよかったです。






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最終更新日  2003.07.15 22:38:43
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