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日々の生活の中で、5分もたたないうちに忘れることが多くなり
幸か不幸か同じ話題でも笑ってくれる。
芸人さんなら、こんな良いお客さんはいないだろう。
今晩は、母の妹とホテルでお泊り。
「着いたわよ~素晴らしいホテルよ。東京タワーが見える~」と喜んだ電話が入った。
それは最近では聞いた事のない、張りのある声。
叔母に、薬の説明をする間も電話の向こうでは母の笑い声が聞こえた。
夕食は兄と姪の4人で食事をするとのことで大変嬉しそう。
電話口に父を・・・なんて言葉もでないので
「お父ちゃんにかわるよ~」というと
「ハイハイ!お父さんに挨拶しなくちゃね」なんて、ご機嫌ムード。
電話を切った父が一言。
「最近聞かないような張りのある声だった」・・・・・
父の食事の用意をして帰宅するつもりが
「一杯飲むか?」の一言で、一緒に酒盛り。
父との酒盛りは、ひさしぶり。
しかし、飲まなくなったな~
二人で一升ビン開けてたのに、父と酌み交わしたのは3合だけ。
まぁ、それから私は4合を飲んでましたが・・・
本当は愚痴りたかったんだろう。
朝、母が「お父さん、私進行してると思ってる?」と聞いたそうだ。
「いや~それはないな。」
「そうでしょう!なんで、私は病院へ連れていかれるの?」
「病院行くというより、うちのデキのいい息子と娘の配慮でな、お前を遊ばせてやろうと
お前の為に仕組んだことや。ありがたいと思え」
父はそのことを言ったきり、母の話はしなくなった。
家を離れ、東京ではしゃぐことが寂しかったんだろう。
「元気になって良かった」・・・な~んて思える人じゃないから。
私から話を振れば、母の事は話しただろうが
私は性格が悪いのでわざと話題をそらした。
私はただ単に、環境が変わってはしゃぐ母の声が嬉しかったし
今まで頑張ってきた分、ドンドン外へ出て行って欲しいと思ってるから。
人間生きてる間にどれほど素晴らしい景色を見ることができるだろう。
どれだけの経験ができるだろう。
私は頑張った母に時間が許す限り、いろんなものを見て欲しい。
自分が知ってる以外の世界を味わって欲しい。
帰ってきて、どれだけのことを忘れずにいられるかはわからないけど、
その一瞬でも感動し、笑っていて欲しいと思う。
しかし、母らしいと思ったのが
叔母の家でお世話になるのに迷惑かけちゃいけないと
自分のお箸をカバンのなかに入れていたことだった。
どんな状況になっても
やっぱり、私のおかぁちゃんだわ。