読んだり飲んだり走ったり

読んだり飲んだり走ったり

2017年12月28日
XML
テーマ: 闘病日記(4015)
今日はちょっとだけ嬉しいことがありました。
窓側に移ることができました!

窓から見えるのは冬枯れの空中庭園と、その向こうに並ぶ無機質なビル群にすぎませんが、枯れ草の中に時折雀が遊びに来たりします。小禽の可憐な動きは心を癒やしてくれます。

あとどれくらいここでの生活が続くかわからないだけに、少しでも快適な環境に移れたことはほんとうに嬉しく感じます。

年末と言っても、入院生活ではあまり実感が湧きません。いや、実感が湧かない現実を何とかやむを得ないものとして受け入れようとしている、という方が適切でしょうか。

そもそも、年末らしいことをやろうにも、何もできません。
でも何かできることはないだろうか? そこで、「心の大掃除」というのはどうだろう、と考えました。

断捨離の教祖的存在である「こんまり」さんによれば、残すか、捨てるかの基準は「心がときめくかどうか」だそうです。
だったら、心の大掃除、心の断捨離がきちんとできれば、心の中は「ときめく」ことで満たされることになります。



………。

無理でした。心は「モノ」ではありません。物理的に廃棄できるようなものではない。
廃棄するとしたら、それこそ前に批判的に述べた「なかったことにする」しかありません。
心の中でそれができれば、苦労はないでしょう。
でもそれはそもそも苦労なのでしょうか。
今の我々の心は、我々が経験したことの積み重ねによって形成されています。
なかったことにすることは、ともすれば自分の「今」を否定することになりかねません。

過去は動かしようがない。そしてそれを受け入れることが、今を生きることです。
将来に夢を託すことはできる。しかしそれは問題の先送りであり、問題に向き合うことにはならない。
今(プレゼント)こそが大切であり、だからこそそれは贈り物(プレゼント)なのだ、といった台詞が、今日見た映画(「カンフー・パンダ」)にあったように記憶します。

心を整える必要はある。整理しておくことは大切でしょう。しかし、大掃除はやる必要がない。というか、できない。今ある心と向き合うだけです。



過ぎ去りし時を重ねて今があり その今をこそ しかと見つめめ

(「見つめめ」は変だけれど、「こそ」を使っちゃったから文語文法的にはこれが正しいはず。)


【メモ】観た映画:「カンフー・パンダ」
上にもちょっと触れましたが、今日観終えたのがこれ。周囲の冷たい目にさらされていた主人公が、努力を重ね、信頼を勝ち取り、真の敵を倒すという、いつものパターン(最近の作品だと「ズートピア」がこのぱたーんですね)。ただこの作品にはオリエンタリズムの味付けが色濃く施され、それは東洋哲学(っぽいもの)を含みます。自分の力に頼ろうとするな、特別なことはせず、自然体で受け流せ、とでもなるでしょうか。どう考えても勝てそうにない相手に勝ったのは、相手の力を受け流すことによって、相手が、自分のもつ過剰な力によって自滅するに至ったからでしょう。まぁそんな小難しいことを考えず、シンプルに楽しめる作品でした。最後のクレジットを見て、声優陣の豪華さにはびっくりしましたが。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017年12月28日 20時27分00秒
コメント(0) | コメントを書く
[がん短歌(三度がんになってわかったこと)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

プロフィール

ryoanak

ryoanak

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

Nori@ Re:「当病記」一区切り(04/20) 拝読いたしました。 今後は徒然なるまま…
ryoanak @ Re:当病記5―生着(04/17) 荒木さま ご指摘ありがとうございました…
あらき@ Re:当病記5―生着(04/17) DAY10~19の内容が後半にダブっています。…
本が好き!運営担当@ 書評でつながる読書コミュニティサイト・本が好き!のご案内 突然のコメント、失礼いたします。はじめ…
あらき@ Re:退院から二ヶ月、経過は…(03/12) 不安、察します。三寒四温の寒のようなプ…

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: