読んだり飲んだり走ったり

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2018年04月13日
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テーマ: 闘病日記(4015)
前回緊急入院したことをお知らせしたのを最後に、3週間ほど更新を怠っていました。相変わらずの入院暮らしですが、今は少し体調が良いので、これから何回かに分けて、昨年から今年にかけて経験した、「非血縁間同種移植」の経緯を記していきたいと思います。
なお、骨髄バンクからの要請で、病院名や移植日が特定できるような記述は避けるよう言われていますので、日付はすべて移植日をDay0とした、プラス、マイナスの表記のみとします。ただ、日付が特定できるような記述も時折出てくることになると思いますが、そこは適当にお読み流しください。
また、がん患者としての実感を主としてリアルタイムで記した「がん短歌」も適宜お読み合わせいただけると幸いです。

移植一ヶ月前からの記録です。

Day-30
移植までちょうど一ヶ月。
カウントダウンに入ったと言っていいのだろうが、まだ実感はない。ここ順天堂練馬にいる限り、これまでの延長でしかイメージできない。
あるいは逆に、不安を伴うイメージばかりが浮かんでは消えるといった方が正確だろうか。
前処理の放射線照射がどのような副作用をもたらすのか、移植は無事に終わるのか、生着できるのか、その後の身体の反応はどうか、GVHDはどのようなかたちで出るのか。

が、こればかりは、やってみなければわからないことである。
自分の身体を信じ、また医療スタッフを信じ、臨むしかない。
不安を抱くのは、うまくいくかどうかわからないからである。
しかし考えてみれば、それはうまくいく可能性があればこそである。
その可能性がなければ、絶望しかなく、不安を抱くことすらできない。
可能性は希望であり、希望は光である。
周りが闇に包まれていればいるほど、わずかな光でも力強く見える。
光を、見続けよう。

Day-29
睡眠の質が下がっている。昨晩は10時過ぎに就寝し、11時過ぎに目が覚めてトイレ。それから読書。少し寝たと思うが、12時半頃にトイレ。横臥と読書で少し寝て、1時半頃にまたトイレ。
また横臥と読書で少し寝て、2時半頃にまたトイレ。また横臥と読書で少し寝て、4時前にトイレ。また同じ事の繰り返しで、5時過ぎには起床。いつものj-waveと数独。でも6時過ぎ、採血の後に少し寝て、7時に運動。朝食後はまたぐっすり。強い眠気は午後2時ぐらいまで続いた。

移植に向けての緊張と、その緊張状態がずっと続いているが故の弛緩。
とりあえず就寝時間を遅らせて、夜の睡眠の質を高めるようにしなければ。
今日はまた点滴の差し替えがあった。シタラビンに対する血管の耐性が、下がっているのか?

Day-28
昨晩は映画を見て就寝時間を遅らせた(23時近く、個室特権ですね)こともあってか、幾分よく寝られた。起きたのは、12時、2時、4時。トイレに起きた後も、なるべくスマホ・本を手に取らないようにしたのもよかったのかもしれない。


Day-27
今日はうれしいことが二つ。一つは点滴が外れたこと。合わせて蓄尿も終わり。転院するまでの、つかの間の解放感。
もう一つはEがわざわざ見舞いに来てくれたこと。久しぶりに気の置けない会話を交わすことができた。これでだいぶストレス減。貴重な、今にあっては古くからの友人のようなかけがえのない存在。
そうだ、もう一つうれしいことを加えなくてはいけない。一時帰宅がかないそう。まだ正式にではないけれど。家で家族水入らずの時を過ごす、というより、執筆をある程度進められそうなことと、途中で終えざるをえなかった衣替えができそうなことがうれしい。

Day-26
点滴がはずれ、セレスタミンの服用もなくなった。にもかかわらず、朝食後も昼食後も強い眠気に襲われ、そのまま入眠。昨夜もあまり眠れなかったせいか。それにしても、緊張感がなさすぎる。
10時半頃に喘息予防(?)の吸引。たぶん3回目だと思うが、回を重ねるごとにつらさが増している。体調が悪くなるとはどういうことかを体感するシミュレーションとしては悪くなかったが、この程度のつらさでうんざり感を持ってしまうとは、どれだけヤワになっているのかと思う。こんなことで移植の過酷さを乗り切れようはずがない。やはり緊張感か。
21日の胃カメラの後、一時帰宅と勝手に考えていたが、23日のMRIの後になる公算大。今回の入院の課題となった「カビ」の原因がペットにあるかも、ということで、主治医の本音は帰したくないというところだろう。明日、一応話すだけは話してみるが、優先すべきは何かをきちんと考えねば。
部屋の寒さを訴えたら、空調設備に手を入れてもらえた。主張すべき事は主張すべきなのだな。

Day-25
昨晩は、結局寝入ったのは1時過ぎだと思うけれど、そこから5時近くまで一度も目を覚ますことなく眠ることができた。最近無かったことなので、それだけでもうれしい。
午後、血小板の輸血で少々のアレルギー反応(蕁麻疹)。こんなことは初めて。自分の身体を過信するな、自分の身体はわからないことだらけなのだというお告げともいうべき体験。かつて、血圧、体温、血液検査の値等々、自分の存在が数値化されることに抵抗感があったけれど、実は自分の身体というきわめて個別的なものを、数字という客観的言語に置き換えて、医師に理解してもらうことなのだと思うようになった。これも一つの成長?
明日、外泊許可が出た。戻ってくるのは月曜日。台風直撃の日になりそうで、ちょっと鬱だが、何もすることがないまま週末をここで過ごすよりはよほどいい。月曜以降のことは、月曜の段階で決定する予定。

Day-24
採血、腹部レントゲン、胃カメラ。採血の結果、外泊問題なしということで、胃カメラ(その後の安静時間も含む)を終えて午後から自宅へ。ちなみに胃カメラでは神経性胃炎が認められたものの、それ以上の異状はなし。
久しぶりの自宅。病院の外出許可証の注意書きに、「発熱の場合はすぐに帰宅すること」とあったのには笑った。もはや病室の方が自宅扱いである。まぁ7月以降に限れば、自宅で過ごしたのは1ヶ月に満たないのだから、しかも同じ病室で過ごしているのだから、もはやその方が自宅に近いかもしれない。
その住み慣れた(?)「自宅」を、来週中に離れることになる。待ち受けているのは、決戦の舞台。強い気持ちを持って、臨まねばと思う。

Day-23
自宅で過ごす一日。久々の帰宅だからといって特に家族のスケジュールに変更は無く、妻と娘はまず投票に行き、妻はその後昼前に雨を厭わずフィットネスクラブへ。昼飯はこちらの担当。毎度おなじみのラーメン。今回はスープもオリジナル。長ネギがなかったので、ちょっと寝ぼけた味になってしまった。衣替え簡略版(外出用のセーターをたくさん出しても意味が無い)、仕事はぼちぼち。ドナーさんへの手紙の下書き。淡々と時間が過ぎていく。病に立ち向かうというより、それがもたらす過酷さに負けない強さを持ちたいと思う。
衆院選、大方の予想通り、自公が圧勝の様相。今の選挙制度である限り仕方が無いのか。たぶん獲得投票数では拮抗あるいは野党の方が多いかもしれないが、議席数では与党が圧倒的。自らを利する制度の見直しに与党が着手するはずもなく、このままでいいのかと強く思う。

Day-22
台風一過で昼前には見違えるような青空が広がった。風はとても強く吹いていたけれども。
今日は思いがけないことが続いた。良いことならばいいのだが、逆である。
まず、朝一番で執筆しようとしたら、ワープロソフトが起動しない。
昨晩までは問題なく動いていたのに、全く理由がわからない。
ドナーさんへの手紙を書いた。字の大きさを間違えて、最後の方はちょっと窮屈な感じになってしまった。ごめんなさい。うまく気持ちが伝わるといいのだけれど。
二時半頃に家を出て、病院へ。
早速採血。あまり間をおかずに、MRI。
MRIが終わってほどなくしてY先生が来て曰く、白血球数が下がっていて、好中球も低い。大事を取って、ここに入院したまま転院の日を待つべきだろう、と。
思いがけない、というのは実は正確ではなく、その可能性ももちろん考えていた。着替え類を多めに持ってきたのはそのためだ。でも、帰れるんじゃないかという期待もあった。それがあっさりと砕かれた。
そして夜。19時過ぎに、インターネットが突然繋がらなくなった。理由は、いつも通り、不明。これじゃあ映画も観られない。
いや、何よりも辛いのは自宅に戻れないことだ。
歓迎すべからざる事に思いがけず見舞われる。打つ手はない。これは予兆だろうか? いや、こういう発想は止めよう。
自宅に戻れないことで、何かこう、思いを残した感がある。もちろん、具体的に何をしたかったというわけではない。ただ、よし、これで移植に向かうぞという気持ちをうまく作るためのきっかけをつかみ損ねたような感じなのである。
でもそれは、その残した思いを、一日でも早く帰宅できるようにするぞという思いに転化させることで、エネルギーたりうるのではないか。
そういえば、思いがけないことで、うれしいことがあった。中学の同級生Yさんから画集とお手紙が送られてきたのだ。出席できなかった東京での同期会で、俺の事を聞き、気遣ってくれたのだろう。早速お礼のメールを送っておいた。そう、こういううれしいサプライズもある。
細かなこと一つ一つに、いちいち反応していてもしょうがないのだ。
移植を経て元気になれば、今度は家以外に居る場所はないのだ。それをより快適なものにしていけばいい。
そんなことを思っていたら、いつの間にかインターネットが復活していた。ほらね。
今やるべき事は何か。移植に向けて、身体をより良好な状態にしておくこと。それだけを見つめていこう。

Day-21
相変わらず夜よく眠れない。昨晩はTVで映画を見て11時半頃に就寝、12時半、2時半で目が覚め、それぞれスマホor読書。5時過ぎに目が覚めたところで起床。その後、6時半から7時までうとうと。そして朝は10時から11時過ぎまで爆睡。夜の睡眠が生活のリズムの基本であることを改めて実感。
転院の日取り決まらず。明日になって、じゃあこれから、とはならないだろうから、26日の公算大。オリテンは9時からの予定だけれど、これはちょっとキツい。A先生は、開始時間を遅らせてもらえるのではと言っていたが、どうかなぁ?
昨日の記述からわかるように、気持ちがかなり落ち込んでいたのを、抜け出すことができた。気持ちの持ちようが大事。でも、気持ちそれ自体をコントロールすることがなかなか難しい。気持ちをコントロールするのは意志なのだろうか?

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最終更新日  2018年04月13日 16時28分29秒
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