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2019.08.11
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ナニカアル (新潮文庫) [ 桐野夏生 ] ​

実は、桐野夏生さんの本、初めて読んだ。
一度は読んでみようと思ってたけどその機会が来た。
なにげに図書館で気になって手に取ったのだけど・・・
最初の方、なかなか読み進まず時間が掛かってしまった。

でも後半はあっという間。

この本、主人公は「放浪記」で有名な林芙美子なんだけど、そもそも「放浪記」も「浮雲」も読んでないし、むしろ森光子さんの舞台があるから記憶にあるといってもいい。

内容を知らずに借りたので、アレ、失敗したかな?


夫がいながら、浮気相手に現を抜かす芙美子。
でも、一途なんだよね。
なので、途中からは彼女の恋愛を受け入れていた。
ただ、そもそもフィクションだから・・・どこまでが事実とリンクしているのか、全くわからなかった。

ってか、途中、林芙美子の本を読んでるような錯覚に陥ってた。

従軍記者の目から見た戦争を描いてあるのは、日本の戦争ではなかなか珍しい視点で、興味深かった。
今の時期・・・8月に読むべき本の一つ。

大学で本さえ読んでりゃ卒業できるなんて楽だと思って入った日本文学科だったけど、入ってみたら戦中戦後文学が必須で、何冊か読むのに苦労した経験が、今でも私に残ってる。
そうでもなかったら、戦争の事を全く理解しようとも思わなかっただろうな。
私は文学性の高い作品か、話題の作品か、自分が楽しめる作品しか読もうとしないから・・・

この作品で印象的だったのは、日本軍が好調だった頃、シンガポールやジャワを占領し、


ああ、そうか・・・あの国を一時は占領していたのかー・・・
アジアの独立の為と言う大義名分を持ちながら、結局は支配をとって代わろうとしただけだったのか。
元々住んでいた人の生活にずかずかと入り込み、上から奪おうとする、人の傲慢さ、ずうずうしさ。

でも、その美しい土地に魅了され、所有したくなる気持ちもわかってしまうんだな。

そして、いい気になっていながらも、それらの土地の豊かな物資を奪っても、日本に輸送する為の船がもうすでにほとんど撃沈されてしまっているのだという現実を、知る人と知らない人。


戦争時、まともに判断し、流されずに生きるなら、命の保障はないんだよね。

今でも、中国なんてそういう感じがするよね・・・香港だけは頑張って欲しい。

題名については、最後までピンとこなかった。
ナニカアルって・・・この題名は何を表しているのかしら。
彼女の人生の秘密?

桐野夏生の作品については、他の作品は又全然雰囲気が違うらしいので、今後もっと読んでいきたいと思った。
潔い文体が好きだし。





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最終更新日  2019.08.11 19:44:18 コメントを書く
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