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Ryu-chan6708

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2006.08.25
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テーマ: 戦争反対(1248)
カテゴリ: 読書感想
私: これは、天皇になんらかの戦争責任があるという加藤氏と、責任はないという橋爪氏の対論だ。
 竹田氏は司会的な役割だね。
 500頁を超える討論だ。
 本は2000年の発行だから、小泉首相の靖国問題はふれていない。

A氏 :結論はどうなの?

:基本的な両者の対立は解消しないが、かなり歩みよっている点もあるね。
今までの戦争責任論で欠けている視点は責任の意味があいまいだといことと意思決定の権限とのバランス関係がないことだ
 この点、橋本氏のバランス関係のある説明は明快だね。

A氏 :単純だね。
自動車に乗っているだけで、ハンドルを操作する権限がないのに、事故を起こした責任を追及されるというのはおかしいものね。

:次に、 責任のとり方 だね。
 具体的にどういう行動をとることをいうのかだね。
謝るのか、弁償するのか、2度と事故を起こさないようにフェアに原因を分析し、合理的な対策を立て実行するのかだ。
 本来、 レスポンシビリィティ でいう責任は後者のほうではないのかね。

A氏 :責任というと日本型はすぐ、謝罪してやめろとなるね。
原因と再発防止はあいまいとなり、人を変えてもまた、再発することになるね

:加藤氏は心情的に文学的だから謝罪型に近いね。
 橋爪氏は、再発防止型だ。

 それはある意味で「 いさぎよい 」としてかっこいいことがあるが、 不良品や事故を再発する原因 になるからだ。
 ある工場で、不良品が出て、対策書を見たら「 すみません 」だったね。


A氏 :責任といってもどの行為に対して、誰が、責任があるかは、違うのではないの?
 戦争責任といっても開始責任、従事責任、敗戦責任などがあるが、問題によって違うのではないの?

:もちろん、 責任とは権限とセットだから、具体論にならないと意味がないね
 橋本氏は責任を権限とセットで考えている人だから、天皇個人の戦争責任を、戦中、戦後の期間にしぼって、それぞれの問題の意思決定の権限と責任関係を次の6つの問題に分けて論じているよ。

1・皇室に関する行動
2.張作霖爆殺事件の際の対応
3.2.26事件の際の対応
4.開戦時の対応
5.終戦時の対応
6.戦後の対応


1.は 「お局制」の廃止 だ。
 お局47人を廃止したという。
俺の日記 に大正天皇からだと書いたが、これは間違いだった。
 大正天皇からでなく、昭和天皇からだった。
 この問題は天皇の権限で意思決定できる。
 だから責任もある。
昭和天皇は皇室を近代化したかったのだね。
 政治面も全体主義的独裁でなく、近代的な立憲君主制を守りたかったのだろうね。

 後の2.から6.の政治的な問題についての判断はすでに、 8月24日の日記 で示したように、明治憲法では天皇は独裁国家にあるような決定権がない。
 下で決定したことにサインするだけの権限しかない。
 拒否権もない。
 雲の上の人だね。
 このシステムを知らない人は、 戦前の天皇制は今の北朝鮮の「将軍様」のような天皇陛下は絶対な権力保持者だったと誤解しているね
 ドイツのヒットラーとも責任権限ではまったく違うね。
サインだけのシステムの枠内では、天皇はよく判断して動いたというのが、橋爪氏の評価で個人責任はゼロだね。
 だから、ある意味、軍部は勝手なことができた。
 自分たちのために、国民のためでなく天皇の軍隊として強化できた。
 特に5の判断は、 24日の日記 のようにルールを侵してまでも 聖断 をしている。

A氏 :天皇に戦争責任がないとすると、誰にあるの?

:橋爪氏のいうように、国内的には首相レベル、参謀長レベル、参謀レベルと権限に応じて分散される。
これは判断の甘さで、多くの死者を出したり、権限がないのに独走したりした責任となるだろうね。
 これらのそれぞれのレベルで自殺した人、謝罪し罪を償った人、平気な人などいろいろあるね。
 しかし、現在の日常生活に生かされている徹底した再発防止策というのはどこまであるのかね。

A氏 :それはいわゆる 東京裁判 で行われたのではないの?

:東京裁判は、戦勝国が戦敗国の人々を罪人としての追及で、個別の原因を追究し、戦後に生きている人に対して再発防止を立てるのが主目的ではないね。
 一応、占領軍による改革と平和憲法となるが、おしつけだから、責任のとり方がすっきりしないようだね。

A氏 :なるほど、多くの兵隊を犬死させたある参謀が東京裁判を避けるために戦後逃亡し、出てきてから国会議員にまでなる。

戦死者側からの責任は追及されていない。
 この本はその点をもっと討論して欲しかったね。
 もっとも本のテーマが天皇に限定されているから仕方がないか。

A氏 :軍規を無視して関東軍が独断で戦争を拡大したりした 下克上の問題 もそうだね。
 それは今でも生きているのではないかね。
 例えば、社会保険庁が組織ぐるみでウソのデータを作る。
 トップは慌てる。
 官僚同志はかばう。
 処罰は軽い。
 関東軍と似ているね。

私: だから、先のバブルの崩壊が示すようにすでに マネー敗戦 をしている。
 今度は、別な大きな敗戦を再発する恐れがあるね。
 その敗戦は財政破綻になるのか、どこで発生するのか分からないがね。
 今、進行中かもしれない。
 日中戦争、日米戦争と同じような間違いを繰り返してね。
 橋爪氏のいう システムとしての戦争責任 はまだとられていないと思うね。

A氏 侵略戦争 については、どういう対論だね。

:加藤氏は、アヘン戦争などの先進国の侵略の時代はそれなりの国際ルールがあったが、日本が侵略したときは、別な国際ルールがあり、それにより日本は侵略だという。

A氏 :おかいしね。 東京裁判中、一部の裁く側が、もう一方の手で再びアジアの植民地支配に乗り出していたのにね。

:これは余談だが、現在の憲法は国民主権だが、その憲法は天皇主権の帝国憲法の改正手順で行われ、発布されていることを知ったよ。
 だから、改正の公布は「 朕は 」という帝国憲法の言葉で始まり、 帝国議会 で改正が決まったことになっている。
 これも「 ねじれ 」現象かね。

天皇の戦争責任






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Last updated  2006.08.25 07:36:28
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