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Ryu-chan6708

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2006.10.04
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カテゴリ: 読書感想


 なつかしい本だね。
 山本七平氏の「 一下級将校から見た帝国陸軍 」を読んだ連想で、その体験の比較でこの本をまた読んだよ。
 会田氏は、 英軍や英国というものに対する燃えるような激しい反感と憎悪を抱いて帰ってきたという
 今さらながら感ずるが強烈なイギリス批判だね。
 ある意味でアジアに対する ヨーロッパの植民地支配の心理的な残酷さの本質 を画がいるとも言える。

 戦後民主主義で俺もボケていたのか、また、目を覚まされた感じだ。

A氏 ビルマのアーロン捕虜収容所で2年の生活を送る
 2年も現地にいたというのはもう、 ポツダム宣言違反 だね。
 30才くらいのときだね。
 山本七平氏は5つ年下だね。
 もう、 この戦争を生で体験した二人の知性が亡くなって数年立つね。

私: イギリス兵は、捕虜の日本兵を人間と思っていない。
 家畜扱いだという


 裸でいるときもあるが、平気だという。

 日本兵は動物だからだ。
同じ白人兵士がノックなしで入室したら、大騒ぎであろうという



A氏 :それは有名な話だね。

:これは、白人は牧畜民族のせいではないかという。
 日本の家畜と違い、多くの家畜を管理しなくてはいけないからね。

A氏 イギリスは、アジアの植民地の人を人間と思っていなかったんだね
西欧ヒューマニズムの限界 を著者はみているね。

:英軍は捕虜をなぐったりけったりしない。
 いわゆる残虐行為はほとんどないが、うまく言い抜けができる 陰険な復讐欲 でなされた行為がなされたという。

 ある英軍管理下にある日本兵たちが、飢餓状態であった。
 川にカニがいる。
 英軍はカニはアミーバ赤痢の巣なので生食い禁止の命令を出す。
 しかし、飢餓で食わずにいられない。
 みんな赤痢にやられ血便を出し、水の中にうつぶして死んでいく。
看視の英兵は岸から死に絶えるまで毎日観測する。
 全部死んだのを見届けて「 衛生観念不足の日本兵は英軍のたび重なる警告を無視して、生ガニを捕食し、疫病にかかって全滅した。まことに遺憾である 」と上に報告したという。

A氏 :日本人は残虐だというが、何か性質の違う、すごい残虐性があるんだね。

私: それから、 イギリス軍の階級がイギリス社会の反映 であるという。
 イギリス軍の士官とそれより下の一般兵士との違いだね。
 まず、 士官の体格が大きく、強健である
 士官はスポーツで鍛えられている。
 士官とは市民社会の代表であるのだ。
 「 青白きインテリ 」は英軍には存在しない。
 英軍はその面で英国社会の階級が持ち込まれているという。

A氏 :ヨーロッパでは市民は「 戦闘市民 」なんだね。
武侠都市 だからね。
 すでに会田氏はその点を指摘しているね。
 日本軍は日本社会と別社会であったという。
これは軍は民間のサンプルだという武装都市論と違うね
 日本は歴史上、本質的には平和な国だったんで、世界的に特殊だね。
 だから、国民性として戦争も下手なんだな。
 血を見て逆上する。
 だから、 戦時中の残虐性も原始的 だね。

:捕虜収容所の管理も、イギリス型、アメリカ型、ソ連型とちがうね。

A氏 イギリス型 とは?

私: 会田氏のアーロン収容所はイギリス型で、 日本軍の階級システムをそのまま使って管理する
 あまり内部に介入しない。
 その面で、 イギリス型は植民地を長年管理してきた手法をうまく使ったね
 会田氏がいうように他の国の捕虜収容所と比較すると一番、効率よく酷使されたというね。
 ほとんどのアジア人を数百年にわたって支配してきた「 怪人 」だと会田氏はいう。

A氏 :その他の型は?

:アメリカ型は山本七平氏のフィリピンの収容所のように基本的に 民主的に放任 する。
 アメリカ型は山本七平氏がいうように、民主的な習慣のない日本人にとっては収容所内は 無法地帯 となる原因となった。

今のバブル崩壊後の日本社会が「 唯金論 」でそうなりつつあるね
 会田雄次氏も「日本人の精神構造」で、 日本人は貧乏人の道徳は発達しているが、金持ちの道徳はないと言っているね。
 この本は1972年の刊行だから、バブル崩壊の前の 30年前に現在の日本の「唯金論」社会を予告しているね

A氏 :ソ連型は シベリヤ収容所 だね。

ソ連型は徹底的な共産主義の洗脳をする
 ソ連型は、多くの死者を出すもっとも原始的な管理だったようだ。
 しかし、洗脳された人は帰国後、多くはマインドコントロールから脱しているようだね。

A氏 :ビルまでは反日感情はどうだったんだね?

:この本では、ビルマ人はイギリス人より日本人に好意的だね。
 インド人もそうだね。
 日本軍の占領が短かったせいかもしれないね。
同じ東洋人が、白人のイギリス人と戦うということは驚きであったようだね

A氏 :それが戦後、東南アジアの独立に火をつけた一因となるのは確かだね。

:しかし、会田氏が敗戦で逃走中、深夜、 ビルマ人が日本兵の死体にむらがり、金歯を抜き取るシーンを目撃し、ショックを受けるね
 これは日本兵が憎いというより、彼らも家畜をよく屠殺するので抵抗がないのだろうという。
 日本兵の死体の金歯をとるのは アメリカ兵もやっていたね。

A氏 :日本人の動物に対する感覚が文化的に違うからね。

私: 話はちょっと違うが、英語を小学校で習うというのは阿部内閣では関心がないようだね。
 「アーロン収容所」を再度読んだが、英語を習うときには、 イギリスをはじめとするヨーロッパというもののと、その文化の「怪人」の植民地支配の本質と、そして今捨てつつあるヨーロッパ文化にない日本の文化とよさいうものも並行してよく学ぶべきだね
 この本を読んでつくづく感じたね。
 安易な舶来主義は、外国に軽蔑されるのが落ちだろうね。
アーロン収容所





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Last updated  2006.10.04 08:45:18
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