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私 : 2020年東京五輪の主会場となる新国立競技場の建設工事 に 従事していた現場監督の男性(当時23)が自殺 したが、これについて、 新聞は男性と同じ工事現場で働いていた2人の現場監督に直接取材 し、 現場の実態 を報じている。
自殺した 男性は建設工事を受注した大成建設などの共同企業体(JV)の1次下請けの建設会社に昨春に入社 し、 工事が始まった昨年12月ごろ、新国立競技場の工事の現場監督に配属 。
工事 は 、くい打ち機で穴を掘り、セメントと土を混ぜて基礎をつくる地盤改良で、当初は1台のくい打ち機について、職人やデータの管理やセメントの手配 などをしていた。
A 氏 : 建設計画の見直し もあって、 新国立競技場の建設工事の着工は当初予定より1年2カ月遅れ 、さらに、 職人の手配ができなかった ことなどで、 作業工程は遅れていった という。
私 : 今年初め には、 遅れを取り戻すためにくい打ち機が増え、別の現場に同僚の男性が異動し、現場監督が1人減った こともあって、 自殺した男性が1人で複数のくい打ち機を監督することが常態化していき、土日に現場に来ることも頻繁にあった という。
2月に入ってから工期に追われ、多くの企業で残業時間が急増 していたようだ。
勤めていた建設会社側の調査では、この自殺した男性の2月の残業時間は193時間。
話しかけても 視点が定まらなかった り、周囲に「 こんなこと早く辞めたい」と漏らしたりする こともあったという。
A 氏 ; 人手が足りない から、作業もうまく回らずに 工程が遅れ 、 余計に長時間労働を強いられていき、みんな疲労でいらいらして、悪循環の現場だった という。
私 : 男性の自殺遺体は4月15日に長野県内で見つかり、遺体のそばには自筆のメモ が次のように書かれていた。
「 身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした。家族、友人、会社の方、本当にすみませんでした。このような結果しか思い浮かばなかった私をどうかお許しください 」。
A 氏 : 発注元の日本スポーツ振興センター(JSC)の関与が、工事の遅れに拍車をかけたとの証言 もある。
証言をした現場監督 によると、 議員などの視察 があるたびに、 JSCの担当者が「午後に視察があるから現場を片付けておいて」などと指示 。
そのたびに工事が中断し、この現場監督は「国家事業とはいえ、こんなに作業が止まる現場は他では経験したことがなかった 」という。
私 : 男性の自殺により、厚労省 は、 1次下請けなど計128事業者について詳しく調べた ところ、 違法残業などの法令違反が相次いで見つかり、労働基準監督署が81事業者に是正勧告を出した 。
現場のずさんな「労務管理」の実態が見えてきた と記事は報告しているが、 これはまさに「安全管理」の問題 だね。
長時間労働は、建設業では、作業者の工事作業ミスや病気の原因
となったり、 監督者も多忙だと工事の安全状態の監視がおろそか
になったり、 場合によっては死亡事故にもつながる。
作業者の「労務管理」は建設業の場合、「安全管理」の一部 だね。
A 氏 :ときどき 工事現場でクレーンが倒れ、死者を出す というのは「 労務管理 」でなく「 安全管理 」の問題なのか。
私 :これも 労働安全衛生マネジメントシステム の 国際規格ISO 45001 があるね。
ところで、 取材 によると、 パワハラ が自殺の原因になった可能性 もあるという。
今年初め 、「 なんでできないんだよ」「バカか、てめえは」と上司が自殺した男性のミスについて大声で罵倒 したり、 ヘルメットの上から強く頭をたたいた りしたことがあり、 男性はうつむいたままだった が、 周囲には大成建設の現場監督やほかの作業員もいて、こうした光景は、その後もしばしば見られた という。
A 氏 :まるで 奴隷労働 だね。
エジプトのピラミッド建設 を連想するよ。
私 : 新国立競技場が、過酷な労働 と、 弱体化した労働安全衛生マネジメントシステムの「負の遺産」にならないことを期待 したいね。
今後、 自殺 も含め、 ケガゼロ 、 死亡ゼロで工事を完成するよう建設会社の「安全管理」の充実 を望む次第だ。