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私 : 昨日のブログ 『議院内閣制 変貌する英国モデル』 で、 英国の「二大政党制」などを参考に「政権交代のある政治」を目指した1990年代の日本の「政治改革」 が、 20年 経って 「二大政党制」どころか、「一強多弱」の状態 になってしまった。
「小選挙区制」で良かったのか 、論壇で議論が積みあげられつつあるとして、この欄で 専門家の意見を紹介 している。
A 氏 : 政治学者の小林良彰・慶大教授 は、「 小選挙区制」をやめ、「比例代表制」に移行すべきだと主張 する。
小林教授 は、 民主主義は「小選挙区制」を用いる多数決型の民主主義と、「比例代表制」を用いる合意形成型の民主主義の2種類に大別 されるという。
後者は多様な民意をそのまま議会に反映 させ、 前者は選挙という最初の入り口で少数意見を切り捨ててしまう 、とした。
私 : 小林教授 は、 米国のように有権者が所得階層や人種で住み分けることが多く 、 似た意見を持つ人が同じ「小選挙区」に住んでいる社会 には 「小選挙区制」が向く が、 日本のように同じ地域に意見の異なる同士が混在しやすい国 で 「小選挙区制」を使うと、死票が多く出てしまうと批判。
また、 日本には多くの政党があるため、「小選挙区」の当選者の得票率が50%を下回ることが多いと指摘 し、 その議員が議会で多数決をすると、50%×50%、つまり25%の民意で社会的決定が行われかねない とも 小林教授は指摘 。
そして「 日本は民意が二分される国ではない 。それがはっきりしたのが昨秋の総選挙では」といい、 「比例代表制」は多党化を促し、「決められる政治」は後退しないかという懸念 に対し、「多 様な勢力が国会での議論を通じて一つの答えに到達することは可能である。政治学は『熟議民主主義』という考えを通じて、そう示してきたと思う 」という。
A 氏 : 政治学者の建林正彦・京大教授 は、 日本 で 「二大政党制」が実現しない理由 は 、 選挙の面で「衆議院、参議院、地方政治に異なる制度を用いてきた」ことだ という。
20年前の「政治改革」では「政党本位の政治」を促す仕組みを衆院に埋め込んだ が、 「地方議会」などには「候補者個人本位の選挙」など、少数の支持で当選できる仕組みが残っていて 、 それが「二大政党」化を阻んだ原因 であるとした。
建林教授 は、「 衆院の制度を変えれば日本政治のすべてが変わるという観測が『政治改革』の中にあったのでは 」と 指摘 し、「 優先すべき改善は、政党本位の政治という目標に向けて地方政治や参院まで含めた整合的な制度設計を考え直すことだろう 」という。
私 : 神戸大の砂原庸介教授 も「 個人」で選ぶ制度が「地方議会」に残る影響に着目する一人 で、 国政野党が育つ環境づくりのため、「地方議会」に「比例代表制」を導入するよう提言 。
A 氏 : 他方 、 政治学者の宇野重規・東大教授 は、 「小選挙区制」を本格的に見直す作業はまだ早い とし、「 一つの選挙制度が一国の政治社会に根付き政治文化を形成するには、1世代にあたる30年くらいかかると思う。まだ途上だと考えている 」という。
私 : 20年前に「政治改革」を推進した政治学者として知られる佐々木毅・元東大総長 は 昨秋、ネットの座談会「政治改革は失敗だったのか」 で 現行制度の見直し案 として、 「小選挙区制」にフランス型の「2回投票制」を導入する案 に言及。
これは、 初回投票で過半数を取った候補がいなかったら、2週間ほど後に上位2人で決選投票を行う制度 で、 「風」に流されて極端な選挙結果が出ることを防ぐ狙いがある という。
「 2週間考えたうえでの『風』であれば、一晩考えた『風』よりいいかもしれない」 と 佐々木教授 はその座談会の中で語っているという。
しかし、 現実問題 として、 現行の選挙制度による「一強多弱」で安住している自民党 から 選挙制度の大幅見直しの提案は期待できない だろう。