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☆ お ね が い ☆
もし可能ならYouTubeとぽんちゃんのブログのウインドウを
2つ開いて音楽を聴きながら見ていただけたらうれしいです。
イメージMUSIC (YouTubeより)
Fly Me To The Moon
< ちぇっ、雨が降ってきやがった。 >
ちょっと雨宿りをすること男は決めた。
「ちょいとごめんよ。 雨が止むまでここで休ませてもらうぜ。」
「いらっしゃい。こんな場末の店で申し訳ないわ。」
男はまわりをぐるりと見廻した。
< この時間に客が俺だけか・・・ >
・・・。
「なんで俺が好きなものがわかるんだ・・・。」
「あら、だって初めてお会いしたわけじゃないような気がするわ。」
「おかしなことを言う女だな(笑)」
男はまんざらでもなかった。
< そういやどっかで会ったような気がするような・・・ >
暫く取り留めのない話をした。
ふと、
「お客さん雨が上がったようだよ。 それに私も店を閉める時間なの。」
男は急に切ないものが胸にこみ上げてきたのだ。
「おいっ、またここに来たらお前に会えるのか?」
「はいどうぞ(笑) いつもお客さんが来る日はわかっているから。」
「ああ、遅くまで悪かったな・・・。元気で過ごせよ。」
「お客さん、お気を付けて帰っておくれ。」
バタン・・・。
男はドアを閉めて歩き始めた。
< どこで会ったか思い出せない。でもあの女に会ったときに懐かしさを感じたな。 >
ふと、振り返る。
< ・・・どういうことだ一体。店がないじゃねぇか! 呑みすぎちまったか・・・? >
恐怖感は全くなく、男は足早に立ち去った。
「けっ、また雨が降ってきやがったぜ。」
「ふん、馬鹿な男だね。 私は雨が降ってきたのも上がるのも真っ先にわかるのさ。
そして、あんたが来るのもね・・・。
こうしていつも照らしてやっているのに気が付かないなんで鈍感な男だよ。」
そこには何事もなかったようにいつもの景色が。
ガス燈が雨に打たれて切なそうな表情をしてる以外には・・・。
ほし あきら