

《聖ラウレンス教会礼拝堂》と《マリア教会の翼廊》を描いたサーンレダムの作品の特徴は、建築構造の細部にわたる丹念な描写にあります。その制作準備も実に周到であり、精確な平面図に加えて、測量をもとにした縮尺立面図を作成するというものでした。「実在する教会の精確な記録」という新分野を生み出したことにより、彼の作品の値段は大きくはね上がりました。
●作品21 エマニュエル・デ・ウィッテ《ゴシック様式のプロテスタント教会》
168-85年
アムステルダム国立美術館
架空の教会です。ここに描き出されているのは、17世紀における社交場としての教会であり、多くの人物が歩き回り、また会話を楽しんでいます。画面中央にはじゃれあう2匹の犬が描かれていますが、こうした光景も、実際には珍しいものではなかったようです。
エマニュエル・デ・ウィッテ
《ゴシック様式のプロテスタント教会》を描いたデ・ウィッテは17世紀における最も卓越した教会建築の画家の一人です。サーンレダムとは対照的に、デ・ヴィッテは実在する教会内部の忠実な再現を描くのではなく、アムステルダムの主要な教会や市庁舎の諸要素を組み合わせたような想像上の建物を描きました。
●作品22 ヤン・ファン・デル・ヘイデン《跳ね橋》
1660-72年 アムステルダム国立美術館
3本の運河が交差する複雑な構図の作品です。前景に置かれたふたつのひき臼が主役の跳ね橋と同じくらいに目を引きますね。町の往来の真ん中にこのようなひき臼が置かれているのは違和感がありますが、この作品の舞台であろうアムステルダムの港付近には、このような石を扱う市場が存在していたそうです。
ヤン・ファン・デル・ヘイデ
ン
《跳ね橋》を描いたヤン・ファン・デル・ヘイデンは、画家としてだけでなく、発明家、技術者、そして市の公職者として成功した人物です。彼が立案し施工に移したアムステルダムの道路照明設計は約170年にわたって採用されました。また、兄のニコラースとの共作による、ポンプ駆動式消火機器は、消火活動の効率を劇的に向上させました。
(続きます)
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