≪2015年9月18日の記事≫
手術後、女性は夫(57)から言葉を話せない患者を見かけた、と聞いた。「大きな手術の痕があった。大きく取ったせいで障害が出たんだと思う」。夫が根拠のない推測を言うのは珍しいと驚いた。
「機能を残す方法を選んでよかったと確信するため、これからも私たちは様々なこじつけを考えていくのだろう」。そう思った。
検査の結果、腫瘍には抗がん剤が効きやすい遺伝子の特徴があった。女性は「脳腫瘍を野放しにせず、闘える」とほっとした。
化学療法を10年の年明けから11年4月まで続け、腫瘍の拡大はいったん止まった。13年、腫瘍が再び広がり始めているとわかった。腫瘍は脳の左側にも達していた。
左側には会話や読み書きの機能がある。自分の経験を書きつづって、医師やほかの患者に伝えたいという思いが強くなっていた。「一番やりたいことを奪われる」と、強いショックを受けた。
再開した化学療法は効果がみられず、「強度変調放射線治療」という治療に切り替えた。放射線の強さを細かく調整でき、脳の機能を守るのに適していたからだ。今年3月
から4月に計28回の治療を受けた。約1カ月後のMRI検査で、左脳まで広がった腫瘍が右側に後退していた。
見た目は正常でも、物を落としたり、足がもつれたりするおそれがあり、こもりがちになった。救いは、11年に入会した患者団体「脳腫瘍ネットワーク」だ。
病気に詳しい患者や家族が助け舟を出してくれるので、会合に参加しやすい。団体の田川尚登(たがわひさと)副理事長(58)は「勉強熱心で医師との会話などを克明にメモしている」と感心する。
この6年間、抗がん剤の点滴で激しい痛みに襲われたり、起き上がれなかったりして苦しんだこともあった。でも、手術の後遺症はなく、望んだ通り、ピアノの指導も続け
ている。「考え抜き、先生方にも十分手を尽くしていただいたのだから、何があっても自分の決断には後悔しない」と、思っている。
患者団体「脳腫瘍ネットワーク」の勉強会で質問する女性(写真中央)=東京都新宿区
でも、よく調べ、よく考えたうえの結論なら、どうなっても後悔しないのではないかと思います。周りから非難されることはあるかもしれませんが、自分の気持ちが納得できるかどうかが一番大切だと思います。
>「機能を残す方法を選んでよかったと確信するため、
>これからも私たちは様々なこじつけを考えていくのだろう」
この気持ち分かります。私は後腹膜脂肪肉腫で、透析が前提となる残った腎臓ごとの切除ではなく、腎臓が温存できる粒子線治療を選択しました。
再発のリスクは切除より高く、結局腎不全になるリスクもあります。再発や腎不全になったら、きっと「こじつけ」を考えるんだと思います。しかし、「こじつけ」でも納得できればいいと思います。後悔するよりは。
>「勉強熱心で医師との会話などを克明にメモしている」
これも大切ですね。話されることは、そのときは憶えていても忘れることも多いです。それと、メモをとることで、医師側にも緊張感が生じます。患者にとって医師はマンツーマンですが、医師にとって患者はワンオブゼムでしかありません。
それはどんなに優秀な医者でも、患者に真摯な医者でもそうです。人間なんですから仕方のないことです。自分がワンオブゼムの中でも、少しでも注目度の高い患者に位置付けてもらう努力も必要です。
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